セリフ詳細
「木蓮」
少し靄がかかっていたものの、外は明るく、天気が良い。
家の鍵を閉め、コートに手を突っ込んで歩き始めた。
家から職場までは歩いて五分。公園を横切るともう到着という近さのために、徒歩通勤である。
公園の木々は、枯れ果てているように見えるけれども、近づいてみると小さなつぼみを蓄えている。春に向けて静かな準備を始めているのだ。
と、周囲がなんだかいつもよりもきらめいて見えた。
気のせいかとあたりを見回す。
風花というわけでもないようだ。小さな氷の粒だろうか。太陽の光にきらきらと輝いている。ダイヤモンドダスト? いやいや、東北とはいえ、それほどの極寒ではない。
僕には何という現象なのかはわからないけれど、小さな氷の粒の乱舞に、心が弾んだ。
花言葉をお題にした掌編集を、作りたいなと思いました。
参加してくださる方→好きな花を選んで頂き300-500程度の小さなお話を投稿してください。
作中、特に表記のないイラストは、全てイラストACさんよりダウンロードした、夢宮愛さん(https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=aichinnokobeya&area=1)の作品です。
小説だけでなく、お花にちなんだイラストや写真の投稿も歓迎です。