suicidal/leniency

[ファンタジー]

5

231

0件のファンレター

────“死の国”
この国がそう呼ばれるようになったのは、ここ最近の事だ。
本国における自殺者は年々増加し……昨年、ついに5万人を超えた。
経済は大打撃を食らい、人口は急速に減少し───この国は衰退の一途を辿っている。

それはひとえに、国民の精神が弱ったから、と云う訳では無い。


【魔が刺す】と云う言葉を聞いた事があるだろうか。
人は時に、魔が刺す。
その結果、人間関係のもつれを、金銭感覚のずれを、そして……犯罪を引き起こす。

この国には────【病魔】が蔓延っている。



【スアサイダル】……それは病魔の一種で、人を自殺に導く死神だ。
それの存在に気付いた隣国リューデンの医師もまた、彼女につけ込まれて命を落とした。
この病魔を、なんとしても撲滅せねばならない。

小村の診療所に勤めていた医師、クレマリー・ルーヴィルは、【死の国】を救済するためにその国───ヴェルティの国立中央病院へと足を運ぶ。
ドクター達よ、今こそ立ち上がれ。

死神スアサイダルを撲滅せよ。
これは、人類と悪魔の生存を賭けた救済劇。

目次

連載中 全2話

2024年09月21日 08:27 更新

登場人物

クレマリー・ルーヴィル

(Cremaly Louvre)


「───さぁ、オペレーションの時間だ」


24歳/女性/163cm/医者(総合外科医・精神科医)


隣国リューデンの診療所に勤めながら精神医学を学んでいた医者。師匠であるDr.リズベルトを殺したスアサイダルを憎み、これ以上犠牲を出さないために単身ヴェルティの国立中央病院に乗り込んだ。専門は総合外科と精神科。

冷静沈着で怖いもの知らず。一度決めたら突き進んで誰にも止められない。…が、その心の内には燃え盛る熱意が眠っている。ルミエールの下についている事になっているが、実質的に主導権を握っているのはクレマリーである。

ルミエール・シュヴァリエ

(Lumière Chevalier)


「始めましょう。スアサイダル症候群のサージェリーを」


24歳/男性/169cm/医者(新人整形外科医)


ヴェルティ国立中央病院で最近研修が終わったばかりの新人ドクター。専門は整形外科。

猪突猛進なクレマリーの一応の上司として選ばれたが、逆に彼女に振り回されてばかりの常識人。オリヴィエも一緒になって突き進むのでツッコミに忙しい。

オペの経験が少なく、自分の腕に自信が無い。クレマリーやオリヴィエ、その他病院の仲間と関わっていく事で一人前のドクターとして成長していく。穏やかでドジの多い好青年。

​「オペをして病気を治すだけでは治療が完了したとは言えない」という信念を持っており、手術前、手術後の患者に深入りしては患者を取り巻くトラブルに巻き込まれている。

オリヴィエ・ボーヴォワール

(Olivier Beauvoir)


「Bonjour!医師のオリヴィエだ、もう安心だよ」

 

38歳/男性/178cm/医師(脳外科医)

ヴェルティ国立中央病院のベテラン脳外科医。

外科だけではなくあらゆる分野に精通するエリート。

少し自意識過剰でノリが良く、頭の良さや実力を驕り高ぶらないため、患者からの人気は高い。だが反対に冷静で論理主義的な薬剤師のケヴィンのような人には苦手意識を持たれている。

クレマリーに賛同して突き進んでルミエールにツッコまれるのが日常。

​緊急現場医療班《EFMAT》では隊長(チーフ)を務める。…が、クレマリーが独断で行動しがち。オリヴィエはそれを咎めることなく彼女のサポートに回っている。

ローザ・カスティリオーネ

(Rosa Castiglione)


「よく頑張ったわね。貴方の生きようとする努力が実ったのよ」

 

28歳/女性/166㎝/看護師

ヴェルティ国立中央病院の看護師長。

オリヴィエの手術によく連れられてる看護師で、オペの手助け、患者への気配り、どれも一流の戦場の女神。

「必要以上は喋らない」がモットーで、時間のロスを許さないた冷たく見える。

だが実際は子供好き、可愛いもの好きで優しい性格。人並み以上の熱意を持って真摯に患者と向き合っている。

俗にいう「ツンデレ」である。

​緊急現場医療班《EFMAT》への参加は彼女自身が立候補した。忙しい看護師長の仕事と《EFMAT》の仕事を両立しているスーパーウーマン。

洛鈴麗(ルォ・リンリー) 

(Luo Linli)


「ワタシはこの仕事に誇りを持ってるアル。命を救うヒーローに、ずっと憧れてきたからネ!」

 

24歳/女性/155cm/看護師

ヴェルティ国立中央病院の看護師。非営利団体の医療団として各地を飛び回っていたが、その腕を見込まれて病院に引き抜かれた留学生。おっちょこちょいだが患者に対して親身に接する。ローザとは対照的に、時間のロスになる事でも丁寧にするタイプ。

入院病棟では子供からの人気が高く、「鈴麗おねえちゃん」と呼ばれ親しまれている。

緊急現場医療班《EFMAT》はローザが推薦したことによって参加を決めた。

ヴェルティに来て日が浅いため「~デス/マス」「~アル」といたカタコトで話すが、​医療に関する用語はしっかりマスターしている。

レティシア・バルテルミー

(Laetitia Barthélemy)


「心の声を聞いてみなよ。アンタの心は、生きたがってるよ」

 

34歳/女性/164cm/理学療法士

ヴェルティ国立中央病院の理学療法士。入院病棟と精神科病棟を掛け持ちする仕事人。非常に頼れる姉御肌で、「ママ」の相性で親しまれている。

ヨガ講師の経験があり、理学療法の一環として行なわれるヨガサークルは老若男女問わず人気。

趣味は車やバイクのドライブ。《EFMAT》の指示で病院から現場に薬や機材、輸血用の血液などを運ぶこともある。

既婚者で子供が2人いる本物のママ。

​患者を取り巻くトラブルに頭を抱えるルミエールに自分で考える余地を残した助言を与えることも。

ナタリー・ブランシャール

(Nathalie Blanchard)


「大丈夫。あなたはひとりじゃないわ。わたしに、あなたの事を教えて?」

 

??歳/女性/153cm/ソーシャルワーカー

ヴェルティ国立中央病院のソーシャルワーカー。精神科勤務。精神医学と心理学に精通した臨床心理士でもある。

ふわふわした性格の優しいカウンセラーだが、患者の精神状態を見るのが上手く、的確な判断を下す冷静な一面も持ち合わせている。

信用を得ることが得意で、彼女に対しては大抵の人がぽろっと過去や隠したいことも話してしまう。

だが、自身の過去は一切語らないミステリアスな女性。​年齢も不詳。

ルミエールの葛藤や患者との向き合い方に対して助言を行い、彼の成長を見守っている。

​また、クレマリーに対して気づいていることがあるらしく……?

ケヴィン・ダ・ジルヴァ

(Kevin Da Silva)


「俺には命なぞ救えんさ。だが…救った命を守る義務はある。」

 

42歳/男性/182cm/薬剤師

ヴェルティ国立中央病院院内薬局の薬剤師。数多の薬剤師を取りまとめるトップで、ヴェルティ薬学界でも名が知れている大ベテラン。

冷静沈着で少し冷めた性格をしている。

患者に対しても「親身に接する」というより「的確にミスなく接する」よう心掛けている。それも、昔、患者に深入りしたのに救えず、心を病んで命を落とした医師を見たことがあるから。

ローザとは性格が似ており、比較的仲が良い。ノリのいいオリヴィエの事は少し苦手だが、オペの腕は確かだと判断しているようだ。

クレマリーの事を認めておらず、彼女を簡単に受け入れる同僚のことをどうにかしていると思っている。

ラファエル・ドラクロワ

(Raphaël Delacroix)


「検査技師、舐めないでほしいっス。オレの目を欺けると思ったら大間違いっスよ?」

25歳/男性/160㎝/臨床検査技師

​ヴェルティ国立中央病院の臨床検査技師。「〜っス!」という喋り方をしており少々チャラい。…が、検査の腕は一流な為ドクター達はチャラい事は黙認している(「姐さん」と慕っているクレマリーには「口調を改めるべきだな」と言われる挙句「ラファエロ」「チャラエル」と呼ばれているが。)
チャラいとは言っても仕事が大好きな仕事バカ、もっと言えば科学やミステリーなんかも大好きな多方面バカである。
友達のルミエールから患者を取り巻トラブルや謎を聞いては、一緒に謎解きに励んでいる。
現在、低身長なのを気にしている模様。

白妙千鶴(しらたえちづる)

(Shiratae Tiduru)


「食べる事は生きる事やよ。命をいただいて、うちらは命を繋ぐ。命のバトンを落としたらあきまへん。」

30歳/女性/150cm/管理栄養士

ヴェルティ国立中央病院の病院食を担当する管理栄養士。普段から入院病棟を回っており、患者一人一人の様子を見るために配膳なども彼女が直々に仕切っている。

「うちは~」と東洋の訛りで話す大和撫子。糸目。作業療法では折り紙講師として時々レティシアに呼ばれている。

おっとりとした優しい女性…ということに間違いはないが、少し執念深いところがあり、特に食事、栄養の事に関しては妥協しなかったり雑にする事を許さなかったりする。なかなかにしたたかな女性である。

女性陣として仲のいいローザや鈴麗。レティシア、ナタリーの事もよく観察しており、人を分析する力が優れている。

謎解きも上手く、事件の謎を解明するときにルミエールはよく彼女のもとを訪れる。

シルヴェスター・ハリス

(Sylvester Harris)


「私は私のすべき事をするだけです。……それに、何か問題でも?」

27歳/男性/175㎝/麻酔科医

ヴェルティ国立中央病院の麻酔科医。

​隣国であり、医療が発展しているリューデンに留学していた過去があり、ヴェルティ医学会のメンバーでもある。自他共に認めるエリートである。

常に冷静……「冷酷」に近い考えを持ち、患者には深入りしない。

が、決して患者を見捨てているわけではなく、ただ口下手なだけで根は優しかったりする。

​リューデンで《スアサイダル症候群》に感染して亡くなったDr.リズベルトの死に「何故《スアサイダル》は寿命の短い彼を殺したのか」と疑問を持っており、彼の一番弟子であるクレマリーが何か関係していないか探っている。

リズベルト・ゴッドフレイ

(Lizbert Godfrey)


「儂の手の届く範囲の患者は、全員護り救うつもりでおる。いいか、医者というものはな、それくらいの心構えでいることが大事なんじゃ」

享年63歳/男性/171㎝/医者

隣国リューデンの診療所の医者。基本的にどの分野も診察、治療できる超人。

リューデン精神医学界の第一人者であり、若いころはリューデンの医療の発展のために従事し、多大な成果を残していた。

クレマリーの師匠で、彼女を孫のように可愛がっていた。

《スアサイダル症候群》によって命を落としたが、彼の死や感染経路には謎が多い。

​実はヴェルティ国立中央病院の院長とは兄弟であり、彼は院長の兄。

​物腰柔らかで包み込むような優しい性格。

ファンレター

ファンレターはありません

小説情報

suicidal/leniency

ましろぬぃ  Nui_mashiro

執筆状況
連載中
エピソード
2話
種類
一般小説
ジャンル
ファンタジー
タグ
医療, ファンタジー, 精神医学
総文字数
6,131文字
公開日
2024年09月17日
最終更新日
2024年09月21日
ファンレター数
0