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活動報告

「黒衣のリラ」 ここだけの話⑮ 【第九章 月夜の廃墟にて人の縁に感謝する 後編 ①】

この章では月を意図的に使ってみました。前後のエピソードとのつながりを持たせたかったのと、月明かりに照らし出される、静かな廃墟や水路などの描写をしたかったからです。

筆者には、身近にある灌漑用水路や暗渠化された水路敷を探し歩く変な趣味があります。九章後半の舞台のモチーフとなったのが、わが家の近所に実在する隧道です。
そこは母がよく話していた場所で、明治時代から令和にかけて、道を通すために盛り土で暗渠化されたうえ、度重なる道路の拡幅で時代ごとの工事跡が残されているという興味深いもの。
「あのトンネルなあ、ホタルがようけおってん。朝まで盆踊りしたあと、足あろうて帰ったんやで~」

それは、新旧まぜこぜになった田舎町の、商業施設が立ち並ぶあいだに今もあって、知る人ぞ知る歴史スポットとなっています。何にせよ、そういうものを探して歩いた経験や、小さな頃に聞かされた話を創作に役立てるというのは、なかなかに贅沢な娯楽だと思いました。

なんと言うか、興味のままに積み上げてきた知識や経験、人から聞いた話、ふとした出会いやきっかけが、ある時に突然つながり、自分の中で特別なものになる感覚ってありませんか?

【黒衣のリラ】
https://novel.daysneo.com/works/acdd7db59ac2a45160d4471fbf28457d.html

2024年 02月10日 (土) 19:31|コメント(0)

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