合従連衡

文字数 2,564文字

フランスのマクロン大統領は、ブリュッセルで行われたEU首脳会議後の記者会見で、自身が提唱する欧州連合(EU)加盟国と欧州の非加盟国で構成する「欧州政治共同体」の初会合を年内に行う方針だと明らかにしました。ミシェルEU大統領は、7月から12月末までEU議長国を務めるチェコの首都プラハで開催されると見通しを示しました。AFP通信によれば、10月にも開かれる可能性があります(2022.6.24)。
まず親ウクライナの国ですが、EU・NATO加盟国が主体となっています。それに日本・韓国・オーストラリア・リトアニア・イスラエルなどが加わります。


親ロシアの国は、ヨーロッパではアルメニア・ベラルーシ・セルビア・ハンガリーなど、アジアではキルギス・カザフスタン・タジキスタン・トルクメニスタン・イラン・インド・中国・北朝鮮、それにキューバ・ブラジルなどですね。


※おかしな点がありましたら、ご指摘ください。

アフリカ諸国はどうでしょうか?
旗幟を鮮明にしていないところが多いですね。ロシアからの食料・エネルギー資源への依存もあるでしょうけれど、中国の顔色もうかがわなくてはなりませんし。『衣食足りて礼節を知る』とは、至言です。
親ロシア派は旧ソ連領の大半と、社会主義・共産主義国家が主流ですね。
そうですね。それと地図を見ますと、親ウクライナ派は連衡、親ロシア派は合従の形になっているんですよ。
合従連衡といいますと、中国の戦国時代末の考え方ですね。
はい、その時代諸子百家と言われた思想・学問の流派の一つに、縦横家という考え方がありました。蘇秦・張儀が有名です。この二人は同時期に活躍したのですが、当時戦国七雄の一つである『秦』という国が実力を伸ばして、周辺の国を侵略し始めました。この強大になった『秦』をどう扱うかが、合従連衡の考え方です。
縦横家といいますと、どのような考え方ですか?
考え方といいますか、大雑把に言いますと外交のための論客を縦横家と呼んだようですね。一口に合従連衡といいましても、一つの考え方ではありませんしね。先に申し上げました、蘇秦が提唱したのが合従、張儀が提唱したのが連衡です。
少し逸れますが、簡単に解説をお願いします。
はい、まずだいたいの位置関係を記します。      中山 

太字・アンダーラインが戦国七雄です。        

                         宋 

                            


蘇秦は、『秦』に対抗するため『燕』『斉』『趙』『魏』『韓』『楚』の六国を縦に連合させようとし、一度は合従が成立しました。そして六国の大臣を兼ねるほどになります。それを張儀は、『秦』に逆らっても攻められるだけだ、と各国がそれぞれ『秦』と横に繋がることを主張しました。「衡」は横、東西の意味だそうです。結果合従は崩れ、韓・魏は領土を毎年のように削り取られ、楚は何度も騙されて、これも領土を削られました。これが合従連衡のおおまかな解説です。

なるほど、地理的にはそうなりますね。
はい、まずウクライナ側ですが、親ウクライナ派の国は主にウクライナの西側に並んでいます。東西での同盟のように見えますよね。対してロシア側は、全てロシアの南側に南北に並んでいるように見えます。まあ、ユーラシア大陸の北の大半が領土の国ですから、当たり前ですけれど。
では、相手側の協力国の切り崩しも視野に入れるべきですね。
ベラルーシなんかは、ほぼ属国状態ですよね。ウクライナを攻撃するためのミサイルを運び込まれたり。中央アジアの国も逆らえないでしょう。イラン・北朝鮮は、付き合いもあるでしょうけれども、アメリカがウクライナ側である以上、ロシアに付くしかないですよね。中国・インド・ブラジルの本音はどうなんでしょうか。
◆中国の習近平国家主席はオンラインで行われた国際フォーラムで、ロシアによるウクライナ侵攻について、「軍事同盟を拡大し、他国の安全を犠牲にして自国の安全を追求すれば、必ず安全保障上の苦境に陥る」と述べ、NATOの東方拡大がロシアの安全保障に脅威をもたらしているとするプーチン露政権の主張を支持する姿勢を改めて示しました(2022.6.22)。


◆中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は、NATO首脳会議に日本や韓国などが参加することに対し「アジア太平洋地域の国と人民は、軍事集団を引き入れ、分裂や対抗を扇動するいかなる言動にも断固反対する」と述べました。「アジア太平洋地域は、北大西洋の範疇ではない」とも述べ、NATOがアジア太平洋地域で関与を拡大させることを牽制しました(2022.6.23)。


◆中国の習近平国家主席は、ロシアなど新興5カ国(BRICS)や途上国の首脳らによるハイレベル対話をオンライン形式で主宰し、新興国・途上国の連帯を呼び掛けました。

22~24日の一連のBRICS会議で中ロ首脳は、米欧をにらみ結束を誇示し、月末にかけて相次ぎ開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)やNATO首脳会議を前に、国際社会の分断を印象付けた形です(2022.6.24)。


なるほど、BRICSですか。では南アフリカもロシア側でいいのでしょうか。しかし、両陣営ともこの時期に多角的な国際会議とは、駆け引きがすさまじいですね。これらの記事を見てみますと、中国の牽制がものすごいですね。
中国がいるとなると、ロシア側からの脱落を期待するのは難しいかもしれません。ゼレンスキー大統領は、年内に解決をと訴えましたが、何度も投稿しましたように冬が来ますと、ウクライナ側から脱落する国が出てくる公算が高いのでは、と思えてきます。お互いもう妥協する機会は過ぎてしまっているでしょうしね。今の世に優れた縦横家でもいれば、と考えさせられます。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ドイツ南部エルマウで開かれた先進7か国首脳会議にオンライン形式で参加し、ロシアによる侵攻を年内に終結させるよう最大限の努力をしてほしいと訴えました。(2022.6.27)
サイバー攻撃やリトアニアによるロシアの飛び地カリーニングラードへの物資輸送の妨害など、新たな火種も出てきています。G7での取り扱いを含めて、別に投稿したいと思います。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
※これは自由参加コラボです。誰でも書き込むことができます。

※コラボに参加するためにはログインが必要です。ログイン後にセリフを投稿できます。

登場人物紹介

一応、阿衡でいるつもりの奴。嘉吉の分身。

テーマを冷静に提供しましょう!

できるだけ新鮮な情報を、と頑張ります!

チクッといきましょう、ヒョーロクダマ意見よりで!

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色