第6話

文字数 397文字

 サナです。

 こんなことになるとは、思ってもいなかった。わたしは親衛隊のメンバーに守ってもらいたかったから、バンドに入るのもOKしただけ。

 みんなは中途半端なヤンキーだから、大学に通ってるうちに、多分フツーの男子になる。わたしはいつまで守ってもらえるのかな。

 メンバーはわたしを囲むようになってから、毎日ミーティングをしている。それは今も続いていて、時々、生身の女子としてのわたしのことも、こっそり話題になっているみたいだ。

 多分テーマはこんな感じ。

 もしもサナがテツにコクったらどうするか。

 わたしはテツが好きだし、たとえば肩をだいてくれたり、ドラマの告白シーン的なキスをしてくれたら、すごくうれしい。

 でも、わたしはコクらない。
 
 1年の時のアレがあるから。
 そこより先は恐怖でしかないから。

 だからね、みんな、心配はいらないんだよ。

  作者註
   サナのつぶやきは、メンバーに届きません。
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