第2話

文字数 334文字

ミナトです。

 テツは「いくぜ、オレたち!」と言っていたけれど、バンドを組むなら、まず楽器だろう。
 元々楽器ができるのは、ドラムのオレだけ。

 テツとタクは、それぞれ知り合いと兄キからギターを譲ってもらいギター担当。

 ケンは「性格的にベースだ」と言って、こづかいで中古のベースを手に入れた。

 ハルは、ピアノを習っていたことがあるらしく、親に最低限の機材を買ってもらってキーボード。

 担当も決まり、楽器ができる先輩を見つけて教えてもらっているうちに、オレたちの活動の場は整い始めた。
 興行屋にも、クラブやレストランにも、活動中のコピーバンドにも、卒業生はいる。

 そして何より救いだったのは、美少女の歌が、想像以上に上手かったことだ。

 卒業までもう少し。
 とばすぜ、オレたち!
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