第2話 タイトルとのギャップがすごい……『失踪トロピカル』

文字数 1,429文字

さて、「へー、こんな本があるんだ」の第2回です。

今回紹介するのは『失踪トロピカル』です。

私は本屋さんで本を探すのが好きです。
専門書もたくさん買いますし、一般書もたくさん買います。今まで読んだ本を数えたことはありませんが、1,000冊以上は読んでいると思います。
どんなジャンルでも適当に買って読みます。

本屋さんでたまにやるのがジャケ買いです。
何となく良さそうなタイトル、表紙の本を適当に買います。
そして、失敗します。

『失踪トロピカル』はジャケ買いしました。
成功例とか失敗例とかではなく、「これ、タイトルと内容が違いすぎない?」という例です。

『失踪トロピカル』は『死亡フラグが立ちました!』や『ドS刑事』で有名な七尾与史さんの作品です。

七尾与史さんの作品を読んだことがある人であれば知っていると思います。
ミステリーとして深くありません。バカっぽいです。
ジャンルでいえば「バカミス(おバカなミステリー)」でしょう。
バカミスが嫌いな人は多いです。ただ、私はそこまで嫌いではありません。

『失踪トロピカル』、何となく南国で楽しいバカンスをしながら「キャッキャッ」言っているイメージがしますよね。

私は本を手に取った時、こう思ってました。

------私の想像---------
バカンスのために訪れた南国のビーチで一人の女性に出会う。
男はその女性と恋に落ちる。しかし、女性は犯罪組織に追われる身。
男は女性と共に逃げることにした。
はたして、二人の運命は?
-------------------------

全然違いました。

何と説明すればいいのでしょう……すっごい、グロいです。
私はかなりの数の小説を読んでいます。その中でも1~2を争うくらいグロいです。

アマゾンの書籍紹介ではこんな感じで書いてありました。

----【書籍紹介】-------------
次々に迫り来る事件と事実。国分が最後に見た彼女の姿は…。
「死亡フラグが立ちました!」の著者、驚愕のノンストップスリラー!
--------------------------------

――全然、内容が分かんねーーー!

タイのバンコクで婚約者が失踪します。だから、タイトルが『失踪トロピカル』なんですね。
そして、人がゴミのように殺されて、死んでいく。
言い方はアレですが、内容的に逝ってます……

本人が目指しているかどうかは分かりませんが、ノリとしてはクエンティン・タランティーノ監督の作品に似ています。

レザボアドッグスの最初にマドンナの「Like a virgin」の話が出てきますよね。
クエンティン・タランティーノ演じるミスター・ブラウンが言います。

【あれは処女の話じゃなくて、男のナニが大きすぎて痛いんだよ。処女みたいに】

私はこの「巨根の暗示」は好きです。
マドンナはこの映画を見て笑っていたらしいです。器が大きいですよね。

あんな感じのバカっぽさがあって、気付いたら殺し合いになっている……そんな話です。ただ、レザボアドッグスよりもグロいです。

ノンストップスリラーとして面白いです。ただ、描写がアレなので前回紹介した『ユージニア』と同じように、好き嫌いが分かれるでしょう。

古い本ですからブックオフなどでも買えると思います。

興味があれば……と言いたいところですが、グロいのが大丈夫な人に限ります。

こんなこと書くと「そんなの紹介すんなよ!」と言われそうですが、個人的なお勧め度は5段階中で2です。

面白いと思うかどうかは……どうでしょうね?
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