始まりは女子高生

文字数 2,066文字

 
 前回のつづきのようにもなりますが・・・。

 処女作『アルタクティス ~ 神の大陸・・・』の原案を考えた(というより勝手に浮かんできた )のは、夢いっぱいだった女子高生の頃。思えば、一番好きなジャンルはファンタジーで、そういうお年頃だし、空想(ちょっと妄想)癖なところがあったと思います。

 あっと驚くどんでん返しが待っていたミステリや、派手なアクション映画も好きでした。

 私には歳の離れた姉がいて、洋画好きになったのも、洋楽好きになったのも、海外俳優好きになったのも、きっかけは全てこの姉でした。私は基本一途(すぐには離れないという意味で)の凝り症なので、そのうちいつも姉の程度を通り越してしまうのですが。

 それで、時代流行りに関係なく、とにかく自分が面白いものが観たい!が一番、経済的な理由もあって、レンタルの安く借りられるものばかりを主に観ていました。それに、テレビでやってくれるものは、夜中のまでいちいち全部チェックしてたっけ。

 今思えば、苦手なシーンもありましたが、ある少女の死の真相を追う、謎だらけの奇妙なミステリードラマ(分かる人には分かる)も、見てしまったら展開が気になって眠れなくような、裏切りに裏切りが重なって、もはや誰も信じられなくなる複雑な刑事ドラマ(〃)も、遺伝子操作で超人になった少女と、紳士のジャーナリストが悪と戦う近未来SF(〃)も面白いと思い、全体的には好きで見ていました。

 ただ、古風好きは若い頃からずっとなので、基本的に本格SF(舞台が思いっきり宇宙の)にはあまり興味がありませんでした。なので、『スター・ウォーズ』は作中でイケメンの若者(ヘイデン・クリステンセン)が主役をやったのしかちゃんと見れていません。いつだったか、「SF苦手な方も・・・」と宣伝してたのを偶然聞いてまんまと反応してしまった『ローグ・ワン(スター・ウォーズ シリーズ)』が気になっているのだけど、結局、見れず仕舞・・・。

 ファンタジーやコメディはもちろん大好きで、アクションもパニック映画もいろいろ観ましたし、恋愛は作品にもよりますが、ラブコメが多かったです(恋愛の嫉妬や裏切り等のドロドロは苦手です)。さわやかな後味が好きで。なので、たぶん私の作品もそんなのばっかりです。ヒューマンドラマも当然好みましたが、その本当の良さに触れられたのは、もっと大人になってからのような気がします。

 その趣味に拍車をかけた存在がいて、高校二年の時に知り合った親友です。その頃、海外の映画や俳優に興味がある友達なんてそういなくて、その親友は、唯一、趣味について楽しく語り合える相手でした。ほかの友達の前でそんな話をしたら白けてしまうのが分かっていたので、お互い、二人になった時だけ映画や海外俳優の話で盛り上がっていました。はたから見れば、だいぶ引かれる光景だったと思います・・・。

 ただ、そんな時でも苦手だったのが、胸が悪くなるような残酷さを含んでいるもの。猟奇的、じわじわいたぶる系はダメですね・・・。とりあえず観ますが、なんかずっと尾を引いてしまうんです。リアルを想像してしまうというか、すぐ被害者のことが気になってしまうので。それで気分が悪くなります。

 なので、私もミステリっぽいのや戦闘シーンをたくさん書いていますが、ずいぶんあっさりしていると思います。それに、戦闘シーンでは迫力とスピード感重視なので、テンポが落ちてしまう生々しい表現やくどい描写は、なるべくしないようにしています。場合によって多少は使いますが、基本好きではない・・・ということもあって。つまり、心理描写や背景描写はけっこう具体的に書くわりに、そういう部分の情景描写というのはあまりしません。

 そして日本の本格ホラー。これはもう、一ミリも見ることができません。『バイオハザード』のような派手なゾンビ映画とかは平気なんですが、井戸やテレビから白い人が出て来る系(〃)はほんとダメです(なのに霊能力やら幽霊と作中で書きまくっているという・・・)。

 根がそうであるからか、インパクト重視の作品にも目がいきがちだった若い頃の私も、大人になるにつれて飽きだしてきたんです・・・。

 そんな時に出会ったのが、『ギルバート・グレイプ』という映画。これも、姉が借りてきて知りました。

 出演俳優だけをみれば、主演はジョニー・デップ。助演はレオナルド・ディカプリオと、今は彼らも年を取りましたが豪華です。特に知的障碍者を演じたレオナルド・ディカプリオの表情演技が素晴らしい。何度も胸をしめつけられました。

 この感じる良さ、深さ、何とも言えない切なさが、それまで、どちらかと言えば(いろんな意味で)インパクトが強く分かりやすい映画に引かれがちだった私には、新鮮でした。

 「ああ、これが人間なんだ。」って。

 そうすると、私のいつものことで、「もっとこんな作品を観たい!」と欲が出てきます。ラッセ・ハルストレム監督にも興味をもちました。

 そうして、私の趣味趣向はどんどん変わっていきました。







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