転機

文字数 1,124文字

 本来の処女作『アルタクティス ~ 神の大陸・・・』の合戦シーンの参考にできればと、古風な西洋ファンタジーを書いていることから、その映画が好きだということもあって、まずパッと思いついたのは、『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』。

 ちょうどその頃、今後はディズニー・ピクサー映画のような児童書を書きたいとも思っていて、でもそれまでの経験からどうにも上手くいかず、悩んでいた時でもありました。それで、『ゲド戦記』といった有名どころもかいつまんで、ザっと流し読みしてみました。

 でも、いくら映画化された作品といえど、どちらも途中からではやはり食いつくほどの魅力を感じることができませんでした。なるほど、なるほど、と、少し参考にできたくらいです。

 ところが、一つだけは違いました。目にすればたちまち魅了され、ぐいぐい引き込まれて、読むのをやめられなくなった作品があったんです。

 その存在を知った時、これなら今まで積み重ねてきたものが生かせる、と気づいて嬉しくなりました。そして、児童書もいいけれど(ほんとにいつか書きたい)、日本人でこんなふうに物語が書ける青少年文学作家(または作者)になりたいという、新たな夢ができました。

 ただし、私は私らしく文章に遊びも入れたい、今の若い子たちにも受け入れられるように書きたい、という思いもあり、〝ライトノベル〟から〝ライトな青少年文学〟というコンセプトを打ち立てました。

 そして同時に、時代流行りを考えなくてもこんなに魅力的でいられる作品が、今の若者にほとんど知られていないなんて残念すぎる!知りさえすれば、誰にとっても「面白い!」傑作なのに、と、腹立たしくさえ思えました。

 なぜなら、その作品は内容が面白いだけでなく、綺麗な背景描写と丁寧な日本語で描かれ、そして何より、それには人間らしさが詰まっているからです。私がハマる小説には啓発される要素があります。まさにそれでした。

 そして、その感動の勢いのままに、新たな創作意欲に奮い立ちました。

 そこで、その勢いのままに、そしてある目的と願いも込めて書き上げたのが、新作『イルマの東へ』。これはすっかり大人になって、自分の中でいろいろ変わってからハンドルネームを変えて初めて書いた作品なので、月河未羽としての処女作になります。

 さらに私は、その物語の内容に感動すると共に、素人ながら書き手として翻訳に魅了されました。

 これは、私が絵(パステル・色鉛筆画)を描いていた頃からのクセなのですが、絵画を観賞する時のように自分なりに分析し、勉強し、ならってその書き方を学びました。どういう視点でどう書けばいいのか、より客観的な、神視点で書く方法などです。




※ つづきます →







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