三答制(開示)
文字数 582文字
三つの凶器は犯人がアリバイを誤認させるために用意した偽物である。容疑者のなかで佐々木の木刀を剣術道場から盗み出し、偽の凶器として用意できたのは、瑞木新七しかいない。ゆえに瑞木が犯人となる。
無月の水 三答制の二
三人を殺した凶器には氷が使われていた。葉月に氷を用意できた人物は専門職の者にかぎられる。容疑者の四人のなかで、氷を扱う仕事にかかわっていた人物は瑞木新七しかいない。よって、氷屋の仕事をしていた瑞木新七が犯人となる。
無月の水 三答制の三
日食時の殺人を実行するには、正午に土倉へと行ける人物にかぎられる。容疑者のなかで、当該時刻の土倉に来ていた人物は瑞木新七しかいない。ゆえに瑞木新七が犯人となる。
正答制①
犯人は阿片栽培の秘密に気がつくことのできた人物である。
しかも、犯人は蛇崩池の氾濫によって、栽培場所ごと破壊しようとしていた。書院の地下に侵入し、芥子を目撃しなければ、正確な場所まではわからないはずである。容疑者の四人のうち、事件が起きるまえ、自由に歩きまわっていた者は、女中の経子と水屋の瑞木だけである。
経子は書院の立ちいりを強く禁じられていた。瑞木は水を補充したあと、だれもつけずに、かえっていた。つまり、作中の描写としては、瑞木だけが書院へと潜入することが可能だったとわかる。ゆえに、水屋の瑞木新七が疑わしい。