第7話 赤い糸は僕の八月を縫い閉じる(歌集)

文字数 427文字

2019/08/07 03:59

アイス乗せ
冷たいソーダ
風鈴の
音色のふちで
陽が射す君に






2019/08/07 03:50

量子的
もつれのなかで
波打った
測定したい
真夏の機微よ





2019/08/07 04:33

舐める指
ガーターベルト
背伸びして
発汗撫でる
湿度調整





2019/08/11 04:47


思い出す。
夏はいつでも
眩しくて。
炎天、路肩、
眩んだ嘘よ。




2019/08/14 11:57

最果てに
夏の夜店の
チョコバナナ。
遠い夢路の
アルバム霞む。





2019/08/16 19:45

体液に
内臓焦がし
あの夏に
冷めていくのは
残響のみか。




2019/08/16 23:05

発熱に
埋もれた記憶
呼び覚まし
忘るる解熱
さも不等式。





2019/08/16 23:11

重箱に
詰めた昨日の
宿題は
纏う色香の
クロアゲハが翅。





2019/08/17 19:55

向日葵の
陽だまりの襞
ヒラリヒラ。
猛暑で高所、
しるしなき路。




2021/02/06 17:59

この世をば
我が世とぞ思う
煉獄に
焼かれしこの身
悦に入れれば




(了)
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