第1話 『頭のいい人が話す前に考えていること』

文字数 1,519文字

『頭のいい人が話す前に考えていること』安達祐哉(あだちゆうや)著、ダイヤモンド社、2023年4月18日 第1刷発行、2023年12月1日 第11刷発行

榎戸 誠 さんは大の読書家である。自分のページも持っておられるし、新聞などで紹介されたことも一度ではない。私は推理小説は苦手だが、ノンフィクションや実用書は、興味や必要があれば読む。

『頭のいい人が話す前に考えていること』安達祐哉(あだちゆうや)著、ダイヤモンド社、2023年4月18日 第1刷発行、2023年12月1日 第11刷発行は、2023年に11刷も発行されている、見るからに売れている書籍だ。
榎戸誠さんの記事で知り、久しぶりにビジネス書を読む気になった。

私はとうに会社を退職し、自宅で少し仕事をしているだけで、ほとんど体外的な人間関係がない。それでも最近ラジオ体操やシニア体操に参加するようになり、そのリーダーとのコミュニケーションについて考えることがあった。本書を読もうと思った動機はそこにある。以下、本書を読んでの感想である。

人間同士のコミュニケーションに魔法や不思議はない。SNSを長年やって思うことは、誰でも例外なく自分自身を一番愛しており、その自分に親切にしてくれる人を愛する。社会的コミュニケーションもこの大原則の上に立っており、相手に愛されたいなら、まず自分から真剣に相手の話に耳を傾けることだ。

間違っても反論を考えながら相手の話を聞いてはいけない。それでは相手の話を真剣に聞いたことにはならず、相手にもそのことが伝わってしまう。

安易かつ性急にアドバイスするのも禁物だ。相手はただ自分の話を聞いて欲しいだけかも知れない。

著者は企業向けコンサルタント。クライアントの話に耳を傾け、相手が持っている問題を割り出し、解決策を見いだして実行するのが仕事だ。

私の人間関係は、会社でもなく、ましてや私の仕事はコンサルタントではない。それでも、すべての社会的コミュニケーションは、相手の立場に立って行い、私がFacebookなどでもよくするように、自分の言いたいことを言いたいように言うことではない。

話は飛ぶが、ホリエモンは仕事の妨げになるから電話は嫌いだと言う。私も電話は嫌いだ。仕事をしていても、リラックスしていても、電話やFacebookのメッセンジャー、チャットの類いはそれを中断し、強制的に相手のトピックに引きずり込まれる。仕事の場合、相手はそれについて半分くらいだけ考えて電話するから、自分もそのプランを考えることを強制される。フリーランスとして仕事の提案をくれた人もいたが、そのコストを考えると決して嬉しくなかった。

私は一人暮らしでこういう人間なので、Facebookでも社会的コミュニケーションでも、会社を辞めた後は、ほとんど自分を抑制することがなかったし、正直今後もあまりしたくない。

それでも相手が大声で言い返すというのは、どう考えても自分の接し方がよくなかったと感じて、ヒントを探すためにこの本を読んだ。私が実行しようと思うのは、以下のようなことだ。

・自分を賢く見せない。本来の活動(たとえば体操)に関係ないことについては、黙る。
・参考になることは言ってもいいが、相手のプライドを尊重する。
・Facebookなどでも、仕事ではないが、なるべく相手を尊重してものを言う。ただしSNSは娯楽だから、自分がたくさん遠慮しなければならない人とは距離を置く。疲れるから。

人は誰でも例外なく自分自身を一番愛している。それでも人の活動について感嘆することはある。相手のいい面を見て、相手のプライドを尊重すれば、同じことが自分にも返ってくるはずだ。そうでない人とは距離を置く。


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