セリフ詳細

イノクマ編集長、河北編集長、

作家本人の販売戦略など、本来は作家側の自助努力の部分だと思いつつ質問させてもらったのですが、お答えいただいてありがとうございます。


作家ができる範囲の販売努力や生き残りというのは難しいですよね。

過去に多々開催してきたNOVEL DAYS座談会では、クリエイターが生き残る方法がテーマの柱になっている座談会がいくつもあったのですが、個別具体的にはさまざまな方法が語られてきました。

そのなかで大きな部分としては、身も蓋もない話で恐縮なのですが、自分が生き残っていることを主張し続けるという当たり前のことだったのかなと思います。

方法はいくらでもあって、イノクマ編集長がご指摘されたように書く仕事を続けることで生存をアピールするということは十分あるのかなと思います。ただ最近は兼業が基本でしょうから(ぼくも兼業ですし)、なかなか文筆だけに生活を集中させていくことも難しいのは確かです。

そんななかにあっては、すでに語られたSNSとか、個人ブログとかを通して、編集者さんがコンタクト可能な窓口だけは絶やさず持っておくということが必要そうです。もちろん編集側がコンタクトしようと思ったときに引かれるほど妙な思想とかを主張されていたら困るでしょうけれども、普通の範囲で活動しておくのは必要なのかなと思います。地が控えめにできるブログにメールフォームを付けておくのは地味ながらオススメかもしれません。




自分の経験になってしまいますが少しよろしいでしょうか。

ぼくは講談社文芸第三出身ですけれども、実際のところデビューしたレーベルではまったくといっていいほど売れませんでした。それも当たり前で、宣伝もなく、定価も1400円くらいで、部数も当時のデビューとしては少ない6000だったので、売れる可能性なんてなかったんですよね。ここで書けないことも色々ありました。当時のレーベルでデビューしてそこで売れた人はいないものと思います。数名が他に移動することでようやく作家活動を継続している人がいるのかなというくらいでしょうか。

ただ、自分の場合には、まったく売れもしていないときに、小学館の編集さんがなぜか声をかけてくれたんですよ。なんとなく簡易ブログ作ってメールフォームを置いていただけで、ブログには当たり障りない数記事くらいしか書いていなかったように思います。そこからすぐシリーズが決まって作家として続けられているんですが、いま思えば何の気なしに自分の窓口を作っておいたことは、ささやかですが一つのキッカケになっていたのかもしれません。


実はもっと強く言いたいのは、デビューして売れなかった多くのプロの方々の本も、あなたの本を読んでくださっている編集者比率というのは意外と高いのかなと思います。部数が出なかったからこそ、ますます読者における編集者比率は高まっていっているはずです。

編集者にもいろいろなタイプがいますから、そうした形での出会いもあり、あなたの本であなたにコンタクトしてみたいと思った編集者さんが、心理的にコンタクトしやすい形をとっておくのは必要かなと思うのです。コンタクトの心理的ハードルを下げておかないと、編集者も忙しいので、忘れられてしまうかもしれませんよ。

目先すぐにコンタクトがあるとは限りません。1年後とか3年後という可能性もあるでしょう。自分もそうした経験あります。そんなときに作家としての活動をしているということをアピールしておくことは、少しでもチャンスをつなげていくために、面倒がらずに実施しておくべきことの一つかなと思います。

作品タイトル:NOVEL DAYS リデビュー小説賞 座談会(第二部閉幕!)

エピソード名:リデビュー小説賞 座談会 #4

作者名:講談社タイガ公式  kodansha_taiga

228|創作論・評論|完結|9話|126,227文字

【リデビュー小説賞】, 講談社タイガ, 講談社ラノベ文庫, 講談社ノベルス

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「NOVEL DAYSリデビュー小説賞 座談会」

現在第二部も終了いたしました。

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■参加者
司会:作家 至道流星

講談社ラノベ文庫 編集長
講談社タイガ 編集長

リデビュー賞応募者のプロ作家の皆様

■開催概要
講談社が主催する「NOVEL DAYS リデビュー小説賞」についての座談会を開催いたします!
この賞を開催するにいたったの経緯や、現在の出版市況、小説に対する思いなどを、縦横無尽に熱く語っていただきます。

「リデビュー小説賞」の応募資格をお持ちのプロ作家の方々からのコメント、ご意見、ご質問なども大歓迎です。

*応募者や応募検討中の方へのご質問などにもお答えいたしますので、今回の座談会への参加者(書き込める方)は「リデビュー小説賞」への応募資格のあるプロ作家の方に限らせていただく形にて開催してみます。

座談会は、2018年10月18日(木)の16時頃~1週間後の25日16時頃までを予定しております。

リデビュー小説の開催概要はこちらをご覧ください。
https://novel.daysneo.com/award/kodansha001.html

*こちらの座談会は開催当時の紹介です