セリフ詳細

「そりゃあんた、そっちの子たちは部屋の中なのに濡れた頭巾を被ったままだし、酔っぱらったお姉さんの髪の間から見えてる耳は独特な形をしてるじゃない。わかる人にはわかるわけ。でも君は違うみたいだね。そういえば美人の人形も連れていたっておじさんが言ってたけどいないの? まあ、いいや。人形はそんなに興味ないし。最近はなにかと物騒だから人形を連れ歩くのはよくないだろうしね。あ、そうそう。おじさんは仕事柄いろんな人を舟に乗せるから相手の素性なんて気にしないんだよ。僕は一度でいいから八岐の人と話をしてみたいとずっと思っていてさ。でもその機会がこれっぽっちもなかったんだよね。目と鼻の先に水蛟様たちが暮らす水江島があるんだから一人ぐらいは船坂で暮らしているんじゃないかなと思って探してみたけど成果がなくてさ。水蛟様は男も女も美人ぞろいだっていうから会えるのを楽しみにしているんだけどねえ。だいたいなんで水江島は立ち入り制限されてるのさ。自由に行き来できたっていいと思わない?」

作品タイトル:美形からくり人形と行く異世界見聞録2

エピソード名:第9話3

作者名:さくら  sakura_uduki

9|歴史|完結|110話|97,377文字

和風世界, 異世界転移, 人形, ケモノ耳, 鎧武者, お酒, 残酷な描写アリ, ゲーム, 書籍化

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書籍版のタイトルは『機巧姫流離譚(からくりひめりゅうりたん)』で、第一巻が発売中です。
このお話は二巻にあたります。

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【あらすじ】
ゲームクリエイター・不吹清正(ふぶき・きよまさ)は自分の作ったゲームとよく似た世界に転移してしまう。そこは戦乱の火種が燻り続ける和風ファンタジーの世界だった。
この世界では『機巧姫(からくりひめ)』という和の色名をつけられた人形と共感し、巨大な鎧武者姿となって戦うことができる。清正は見目麗しい最高品質の『葵の君』をパートナーとして、戦乱に終止符を打つべく立ち上がる。
耳の先端が尖り人を癒す力を持つ少女や額に角を持つ鬼の青年、ケモノ耳とフサフサの尻尾を有する人狼姉妹など、ゲームにはいなかった存在と出会い清正は興味を覚える。
ここは自分が作ったゲームの世界なのか。何故、彼らのような存在がいるのか。清正は数多の謎を解き明かすためこの地で暮らす決意をする。
これはゲームクリエイターが和風異世界で多くの人と出会い、様々な体験をしていく物語。