第1話

文字数 2,679文字

 巨大地震注意情報について思うこと

南海トラフ地震の臨時情報で
巨大地震注意が初めて気象庁から発出された
このことに何とも言えない違和感を覚える
テレビでの不可解な説明もそうだが
マスコミに流しているメッセージの内容など
今回の措置は何とも腑に落ちない
一週間以内に大きな地震の可能性があると謳い
お盆休みの帰省に大いに影響を与え
新幹線が運休まで視野に入れて減速運転し 
果ては避難する人や買占めまで起こっている

そもそも南海トラフ地震とは何なのか
「三十年以内に70%から80%」の確率で起き
犠牲者は三十二万人という途方もない数字を
掲げているが これは しかし
あまりにもとんでもない発表ではないか 
いや たとえ本当にそうだとしても
こんな数字をこれほど無神経に発表することに
どんな意味があるというのだろうか
三十二万人が犠牲になった地震など今まで
聴いたこともないし そんな壊滅的な地震に
襲われたならこの国は滅亡するしかないだろう
まず 西日本にある原発がすべてメルトダウンして
それだけでこの国は壊滅状態になることは
誰でも容易に分かることではないか
そんな都市伝説というか 昔のノストラダムスの
大予言のようなことを政府の機関が公式に発表し
しかも 今回は一週間は注意しろなどという漠然たる指示を
いったい何の根拠があって発しているのか甚だ疑問だ

今の科学ではどのくらいの地震が いつ どこで
起きるかなどを予知することは不可能なのだ
それは 古代でも現代でも事情はそう変わらず
つまり 地震というのは起きたときに起きたとしか
言いようがない代物で ロシアンルーレットのようなものだ
大きな地震が起きた直後にはその規模の地震が
繰り返して起きるということや巨大地震の前兆には
こういった変化があるとかこの火山帯の地震は
百年周期で起こるとか昔からの経験則以上に
分かっていることなど今でもほとんどないというのが
偽らざる実情なのではないか それなのに 何か正確に
分かっていることがあるように装って今回のような
「巨大地震注意」情報を発するというのはいかがなものか

今回のことの発端となった宮崎の地震情報が
まったく報じられないのはどうしたわけか
あれだけの規模の地震なのだから電気 ガス 水道は
大丈夫だったのか こんな炎暑のなかライフラインが
とまったら それこそ多くの住民の命に関わるではないか
それが まったく報道されないとはどういうことか

犠牲者が三十二万人などというのは
どんな計算式で導き出したのかは知らないが
たとえそんな計算結果が出たとしても
あくまでも仮の数字 架空の数字に違いないし
あまりにも 無神経な発表ではないか
しかも それが「三十年以内に70% 80%の確率」
というのは ごく近いうちにこの国は滅亡する
ということを宣言していことに他ならず
これまた あまりに無責任な発表ではないか
また この数字にはは大きなトリックが
仕込まれている もし 本当にそんな大地震が
起これば それ 見たことか 俺たちが指摘した
通りではないかとなるし もし 外れたとしても
外れたことはとても喜ばしいことであり 国民に
注意と警戒を促すことにこそ意味があるのだとなる
また 地震なんてものは何百年 何千年単位で
起きるものだから今起きなくてもいつ起こるか
分からないのだから引き続き観察と研究が必要だとなる
つまり 自分たちの利権を守るために
こんな無責任で意味不明な発表をしている側面も
あるのではないかと勘繰ってしまうのだ
その証拠に つい昨年に暴かれたある事件がある
発表されている南海トラフ地震の発生確率については
江戸時代のきわめて不正確な古い資料をもとに
意図的に大地震の確率をかなり高く水増しして
算出していたという紛れもない事実が
東京新聞の記者によって暴かれた件だ
それによると南海トラフ地震の発生確率は
70%や80%などではなく20%程度になるという
これは いったい どういうことなのだろう
危機を煽り 国民を恐怖のどん底に突き落とす
ことによって必要以上に予算を引っ張り
自分たちの保身と拡充を図るというのならば
本当に恥ずべきことであり 何よりも
国民に対して申し訳ないと思わないのか
また これは政府がずっと目論んでいる改憲を
見据えたものであることも透けて見える
つまり 緊急事態条項を憲法に取り入れる
ための布石 地ならしといえる試みだろう
麻生元総理が 以前 いみじくも口走ったように
「ナチスのやり方を真似ればいい」という
やり口なのだ つまり ナチスがワイマール憲法を
破壊するために緊急事態条項を利用したことを
日本国憲法を破壊するために踏襲すればいいと
言っているのだ その先にはファシズム国家への
道が広がっており まさに戦争をするための
国家体制を整えようとする彼らの思惑そのものだ
今回の「巨大地震注意」の発令はそのための
政府の予行練習のごときものであると思われる
このようにおよそ倫理というものを完全に喪失した
このような人たちに私たちは運命を握られ
命を預けなければならないのだろうか
それは 何という惨めな悲劇ではないか
その構造は「原子力村」とほぼ同じではないか
そして もし そうなら 
亡国の輩とはこのような人たちのことなのだろう
この国にダニのように巣食い いつもいつも
国民から生き血を吸い続けている亡国の輩たち
いつになったらこんな吸血蝙蝠だか
巨大なダニのような輩を退治できるのか


ファンレターさまの紹介

 オオカミ少年と居眠り羊飼い

猛暑のお盆休みの最中ですが、南海トラフ地震に警戒し備えなければならないとテレビで散々言われていますね。私も不思議に思ったのですが、今回の地震で被災地にどれ位の被害が出たのか、あまり報道されていないと感じました。具体的な死者数何十万人というデータは何を根拠に打ち出したのでしょう。更に最も犠牲者が多く出る地域トップ10を挙げ、それぞれ何万人の死者数か予測したものまでネットに出ていました。一週間以内に日本が壊滅するような巨大地震が来るかも知れないと恐ろしすぎることを簡単に発表している様子は、イソップ物語のオオカミ少年のようです。この情報があまりにも空振りし続ければ、人々はまたかと警戒しなくなり、居眠り羊飼いと化し、本当に巨大地震が来た時には手遅れになるのでしょう。発表する側は細心の注意を払って確かな情報を伝えるべきです。来た時は、ほら言った通りだ、備えておいて良かったでしょう。来なかったら反れて良かったねとどちらに転んでも痛くない人達の言うことに振り回されず、自分達もしっかりと考えて確かな情報を得る努力が必要だと思いました。


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