6-16 鵺が啼く空は虚ろ
文字数 1,435文字
亡き息子の姿を探すように
乾いた瞳から、とうに枯れたはずの涙が滴る。
皺だらけの掌にはたはたと落ちる雫。
慟哭だった。
愛しい者はもういない。
何が欲しかったのだろう。
それを示してくれる者はもう、いない。
広い部屋に愛を泣き叫ぶ声だけが響いて、あまりの凄まじさに誰も動けなかった。はずだった。
突然その場の誰でもない声が響いた。
それが誰かを認識できぬまま、
その場で
数分の後、禰宜のような和服を着た集団が忽然と現れて
その様子を