第2話 1の島バアルその2

文字数 514文字

ま、魔物ぉ!?
ええ、そうよ! あなた達、観光客? ここも危ないから早く避難した方がいいわよ!
まったく、上陸早々ついてないわね。いがみ合ってる場合じゃないわ、早く避難しましょう。
……。
するとレドはブルの言葉を無視して町の方角へと歩き出した。
ちょ、ちょっとあんたどこへいくつもり? そっちは町の方角よ!?
知ってるよ。
だったらなんで……あんたまさか!
ああ、私は町に行くよ。その魔物とやらを倒す為に!
ま、待ちなさい! あんたみたいな落ちこぼれ魔女に何ができるっていうのよ! 魔物に食われて養分になるのがオチだわ!
何ができるかなんてやってみなくちゃ分からないじゃないか。それに、落ちこぼれは君もだろ。
なっ! ……あんたねぇ、人がせっかく止めてあげてやっているていうのに……いいわよ! 勝手にすれば! あんたには魔物の胃袋の中がお似合いよ!
最初っから勝手にするつもりだよ。私はこういう時の為に魔女になったんだ、今行かなきゃ魔女になった意味がない!
レドはそう言い残して、ブルに背を向けて走り出した。
(魔女になった意味ですって、かっこつけちゃって。私達みたいな半人前魔女にできることなんて何もないわよ)
ブルは逃げ惑う人々の波に沿って走り出した。
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