今さら台湾旅行記

文字数 20,022文字

 2019年11月28日から12月1日にかけて妻と二人で台湾へ旅行しました。
 一応結婚30年の記念として、25年目には特にどこにも行かなかったので……。
 国内旅行は何度もしましたが、海外は新婚旅行のイタリア以来、当然パスポートも期限切れだったのでまっさらの新品です。

11/28 1日目

 11月28日木曜日、朝は4時起き、何しろ羽田を7:55に飛び立つ便、自宅から歩いて20分の南武線矢野口駅から川崎行きの始発は5:07、京急の羽田国際ターミナル駅着は6:15頃、それより遅くては乗り遅れかねません。
 前日の天気予報では『朝から雨かも』と言うことでしたが、何とか空は持ちこたえてくれて、予定通りスムースに空港駅に到着しました。
 国際線の場合出発の2時間以上前には空港入りしているのが基本らしいので、それでも遅いくらいですが、さすがに平日の早朝とあって羽田空港もガラガラ、スムースにチェックインや出国手続きが出来て7:00頃には出発ロビーに腰を落ち着けることができました、結果的には丁度良いくらい、中々幸先が良いです。
 航空会社はチャイナエアライン、出発ロビーに着くと尾翼に桜色のマークを付けたA330がスタンバイしていました。


 座席は窓側の2列席でしたが、前の座席との間隔が結構狭い。
 台北までは3時間半とのことだからそれでもOKですが、夜明かしするような距離だったらちょっと辛いかも……私は横幅もあるので液晶のコントローラーを取り出すのもちょっと苦労するくらい。
 とは言え飛行機は久しぶり、ちょっとワクワクしながら飛び立ちました。

 地上は泣き出しそうな曇天でしたが当然のことながら雲の上は快晴、下は雲で何も見えませんが雲海と青空、そして翼のコントラストが綺麗で見飽きません。
 台湾と言えば食事も楽しみなのですが、この旅行最初の食事は機内食、あんかけ焼きそばかオムレツとのことだったので迷わず焼きそばを注文、台湾料理は日本でも何度か食べていますが、なんとなく台湾っぽい味がするような……。
 
 実は私、高所恐怖症。
 飛行機くらい高い所を飛んでいると高所と言う感じがしないのでそれほど怖いとも思わないのですが、ちょっとうとうとしようとすると『この床の下は高度6,000メーターなんだ』と思い出しぞっとしてしまうのです、なので眠れないうちに台北上空へ。
 着くのは松山空港、四国の松山ではないですよ、マツヤマ空港ではなくソンシャン空港なのですがなんとなくなじみ深い感じがします、その分異国情緒も薄いんですが。
 機体が降下して雲を抜けると……近い!
 何が近いって街やビルです、羽田も市街地から近いけれど海っぷち、でもソンシャン空港はまるっきり街中、ちょっと『大丈夫なのか?』と思うほど、台北101にも近いから101を建設する時はずいぶんと協議したんだろうなぁ、などと考えていました。
 高所恐怖症? それが意外と平気だったんですよ、それこそ着陸態勢に入るとビルの上を掠めるかのように見えるのですが、箱庭を見ている様で却って面白い。
 窓から見る台北も興味深いものでした、近代的な新しいビルは日本とほとんど変わらないのですが、4~5階建てのビルの多くは思いっきり古い! 台湾も地震は多いはずなのですが大丈夫なのでしょうか? 建築士としてはやはり気になります、まあ、今まで持ちこたえていることは間違いないのですが……。

 A330はビルをかすめるようにしてソンシャン空港に着陸。
 ソンシャン空港は日本の地方空港を思わせるくらいの狭さ、ターミナルビルも2階建てで思い切り長いですが幅は狭い、台湾は九州くらいの広さだから国内線はあまりないのかもしれませんね、まあ、ここで何か予定があるわけでもなし、別に構わないのですが。
 やたら不愛想で高圧的な入国審査を終えていよいよ台湾の地へ。
 当たり前と言えばそれまでなのですが『外国に来た』と言う実感は今ひとつ。
 台湾の人々ははっきり言って日本人と区別がつきません、中国人や韓国人は何となく違う感じがするのですが、台湾人は喋らなければわからない感じ、案内表示も漢字ですしね。
 唯一違うのは現地の人の方が厚着だと言うことくらいでしょうか、日本人ならセーター姿で丁度良いくらいでしたが薄手のダウンなどを着込んでいる人が多い、やはり南国、寒さには敏感なのでしょう、何しろもう12月も近いのですから。

 空港からタクシーでホテルに向かいます。
 台湾では随分とタクシーを利用しました、何故って、何しろ安いのです、空港から台北駅近くのホテルまで20分弱スムースに走って200元で少しおつりが来ました、740円と言ったところです、日本ならば初乗り料金ですね、ちなみに初乗り料金は70元でした。
 まあ、桃園空港からだとさすがに距離があるのでタクシーは躊躇するところですが。
 それとバスのルートがわかりにくいのも理由の一つ、実は2日目に反対周りのバスに乗ってしまい大幅に時間をロスしたことがありました、歩いてすぐ、と言うような場合を除いてはタクシーを利用するのが賢いかも。
 タクシーの窓から見る台北の街は上空から見た印象そのまま、昭和40年代と令和元年が入り混じったような感じと言ったらわかりやすいでしょうか、新しいものと古いもののギャップが激しい、どこか懐かしいような感覚を憶えました。
 
 ホテルに荷物を預けたら台北駅で『遊遊カード』なるものを購入、日本のパスモやスイカに当たるもので一枚100元、空港で両替した時のレートで一元=3.7円くらいでしたから370円、そして一枚当たり200元をチャージ、元の100元と併せて1,000円ちょっと。
 4日間使うのですから足りないだろうなとは思いましたが、駅でチャージできるのだからこまめにすればいいやと……しかし実はそのまま4日間持ってしまいました、MRTにもかなり乗ったし、1時間半かかる道のりのバス、1時間弱かかる台湾鉄道も利用したにもかかわらずです、とにかく交通費は日本とは比較にならない安さですね。

 遊遊カードを手にしてMRTに乗り中正復興駅へ、そこから九份行きのバスが出ているんです。
 2番出口を出て右側すぐのバス停、と憶えて行ったので迷わず一直線に行けたのですが、丁度ドアが閉まったところ、「あちゃ~」と思ったら「ぷしゅ~」とドアを開けてくれて無事に乗り込めました、台湾の人々の好印象急上昇ですね。
 バスは市街地を抜けて高速道路へ、と言ってもたしか料金所は通過していない、高速道路も無料らしいですね。
 市街地を出ると日本の風景とあまり変わりません、時折現れる中華風の建物が目を惹く程度。
 そしてとうとう雨が……。
 実は旅行数日前までの台北の天気予報は最悪でした、4日間とも雨。
 ところが前日になって初日だけ雨、と言う予報に変わっていたんです、天気予報が的中したわけですが九份は特に雨の多い土地だと聞くので、まあ、雨の九份も悪くないだろうと……。
 目的地が近付くとそう広くもない道の両側が賑わい出します、やはり昭和40年代くらいの観光地と言った風情、オツに済ましていない分活気があるので気持ちも浮き立ちます。

 バスを降りると……寒い。
 台北市内ではポロシャツに薄手のセーターだけで充分だったのですが、雨も降っているので雨具を兼ねた撥水性のウインドブレーカーを着込みました、風が強くて冷たいのでそれでもちょっと寒くて後悔、まあ、動けばそうでもないだろうと気を取り直して歩き始めます。

『千と千尋の神隠し』のモデルになったと言うことで人気の九份ですが、アニメに出て来たシーンがそのまま現れるわけもなく、それほど広くもありません、丘に張り付くように伸びる坂道があり、それと直行する道に折れると自然と丘を降りる、それだけなのですが、道の両脇はさながらお祭りの縁日状態、平日で雨とは言え人が溢れています。
 そんな中、傘をさして歩くのはちょっと骨でしたが、台北の街とは打って変わって異国情緒は堪能できます。
 この日の昼食は『買い食い』と決めていました、で、妻が最初に指さしたのはフランクフルト、まあ、丁度お腹も空き始めたところでしたからね。
 台湾料理じゃないんかい、と言ったところですが、台湾のソーセージは独特だと言うことは知ってました、甘くて八角の風味が効いているんです、結局、この味付けがこの旅行の最後まで付きまとうことになるのですが、その口開けがこのソーセージ。
 妻は知らなかったらしくて『何これ?』と驚いていました、『何これ? 美味しい』ではなくて『何よ、これ』と言う調子、あまり口には合わなかったらしいですね、どちらかと言えば甘党の妻なのですが、甘いものは甘いもの、しょっぱいものはしょっぱいものとはっきり分かれている方が良いらしいです、まあ、それと知らなければソーセージが甘いなんて想像もしませんよね。
 次に買ったのは草餅、日本の草餅よりねっとりと柔らかく、中味の餡は甘さ控えめ、こちらは妻もお気に召したらしいです、そして、少し腹の中から温めようとガイドブックにも載っているぜんざい屋へ。
 他でも食べることになるのですが、台湾では芋餅が結構食べられています、芋が主原料と言っても、ニョッキより更にもちもちした食感、妻もその芋餅は気に入ったようですが、ぜんざいの汁はなんとも薄く、甘さも思い切り控え目、そこは物足りなかったようで……。
 台湾の食べ物は概して大きめ、このぜんざいもカップ麺くらいの容器に入ってます、実はその三種だけで結構お腹は満足したのですが、寒いし海鮮スープくらい食べたいね、と更に歩きますが、結局適当な店が見つからずに断念。
 と言うのも、妻はやや潔癖症気味でお腹もそう強くはない、いかにも屋台の食べ物と言った風なものにはちょっと腰が引けてしまうのです、おまけに私は行列が嫌いなクチ、台湾では行列の店は美味いと聞いていましたが、雨の中では並ぶ気がしないのです。
 こう書いて行くと九份が気に入らなかったように見えるかもしれませんが、そう言うわけではありませんよ、同じ黄色人種、漢字文化の国ですがやはりセンスは違います、『千と千尋』好きかどうかは別にしても、ちょっと怪しげな異国情緒を味わうにはやはり良い観光地だと思います、ただ、雨が本降りだったのと風が強くて冷たかったのが大きなマイナスだったことは否めません、しとしと雨くらいならば却って風情があるかもしれませんけどね。
 そして九份の締めは湯婆々の家のモデルになったと言われる茶房、『阿妹茶楼』。

 ここはテラス席がメイン、高台から海も眺められ、丘に張り付くように立っているエキゾチックな建物も眺められます、天気が良ければ台湾旅行最高の思い出の一つになるだろうな、と思います、ただ……やはり寒すぎたw
 メニューはお茶セットで一人前300元、1,000円くらいになるので台湾感覚ならぼったくりなのでしょう、でも入る時に『一人前300元だがそれでいいか?』と聞いてくるあたり、良心的な感じもしますね、日本ではお茶とお菓子のセットで1,000円なら別に不思議じゃないし、九份に来てここに入らないと言う選択肢はないでしょう?
 席に着くとウエイターがお茶の説明に現れ、正しい淹れ方をレクチャーしてくれます、これが結構めんどくさいのですが、言われたとおりに淹れてみると……薄いw 中国茶は香りを楽しむものとは知っていましたが、日本人的感覚なら薄すぎます、結局レクチャーを無視して濃く淹れて楽しみました。
 レクチャー通りなら一人15杯飲めることになり、おそらく台湾セレブはそうやって午後いっぱいお茶を楽しんだのでしょうね……我々も晴れていて寒くなければもう少し粘ったのでしょうが、日本からの観光客はそこまでゆったりしてないですw

 帰りは最寄りの駅までタクシーを使い(メーターが付いていなかったので確かめましたが、看板に出ていた通り205元でした)、台湾鉄道に乗り込みました。
 実はこのルートは良く調べていなかったので駅員に聞きました。
 ガイドブックには台湾では日本語がかなり通じる、と言うようなことが書いてあったのですが、実際はそうでもありません、ホテルでも日本語ができるスタッフは数えるほどだしレストランでも同じ、一般の人はほとんど日本語がわからないと思った方が良いですね、ただ、お互い片言の英語なので却って理解しやすかったかもw
 この駅でも電光掲示板を指さして『タイペイ、ストレート?』『イエス、イエス』で事足りました、そんなもんですw しかも台湾の人々はこちらのカタコトイングリッシュでも一生懸命理解しようとしてくれますし、あちらもカタコトイングリッシュが通じるかどうか不安なんでしょう、一生懸命説明してくれます、そうやって歩み寄る姿勢は良いですよねぇ、とてもフレンドリーな感じで。
 電車のルートは行きの高速道路とほぼ同じ、ほとんどの区間で並行している様で景色は変わらないんですが、乗客の出入りがあり、時刻的に高校生くらいの若者が乗り降りしていたのでそれなりに楽しめました、いや、JKを見て喜んでいたと言うわけじゃないですよ、極端に短いスカートの娘もいませんしw 日本よりちょっと真面目で、真っ直ぐに青春してるなと言う印象(どんな印象じゃいw)を受けました。

 台北駅に着き、とりあえずホテルにチェックイン。
 今回選んだのはパレ・デ・シンと言うホテル、現地語では君品酒家。

 ここ、なんと5つ星の高級ホテル、実は当初は一駅離れた中山駅にあるプリンス系のホテルを利用するツアーに申し込んでいたのですが、妻がプラス2万円で5つ星に泊まれるツアーを見つけ、『どうしてもこっちが良い』と言うことで変えたのです。
 確かに高級感あふれるホテルですが、建築士の目から見ると……ちょっとデザイン優先過ぎるかなと言う気がしないでもなかったです、私ならもう少し使い勝手を優先するかも……まあ、5つ星ホテルに宿泊するなんてことは今後もないでしょうから、これも経験ですね。
 ただ、照明が暗いのには閉口しました、スーツケースを整理するにも暗すぎるくらい。
 恋人同士や新婚さんならこのムードが良いんでしょうけど、30年連れ添った間柄ですとムードよりも実を取りたくなります、結局フロントに頼んでスタンドを追加してもらってなんとか……。
 
 一休みして夕食に。
 実際朝早くに東京を発って、午後いっぱいを寒風と雨の九份で遊んだので結構疲れてます、しかし、この後の予定では夜市に出かけるチャンスが無かったんですよ、台湾に来て夜市を体験しないで帰るのはいかにも残念ですからね、頑張って出かけることにしました。
 夜市と言えば士林が有名、MRTなら三駅なのですが如何せんくたびれてる、タクシーを使えばいいかなとも思いましたが、士林夜市そのものが広いのでやはりくたびれそう。
 と言うことで徒歩でも行ける寧夏路夜市を選びました、規模は小さいがグルメ夜市としても知られているそうなのでぴったりではないですか。

 ですが……結論的に言えば、あまり大したものは食べられなかったですw
 士林夜市のことは調べていたのですが、寧夏路夜市はノーチェックでした。
 実は屋台が並ぶ夜市の通りの片側に地元で人気の店が並んでいたらしいのですが、そんなことを知らない我々は屋台めぐり、しかも妻は屋台の料理にはやや及び腰、と言うことでしっかり火が通っているものをと言うことで、まずは台湾名物巨大から揚げ鶏排を……これがでかい。
 二人で一個頼んだだけだがそれだけで胃袋は50%、そのほかに揚げた芋餅、カットステーキを食べただけで満腹してしまった次第。
 誤解のないように書いて置きますが、私は食が細い方ではありません、どちらかと言えばグルマンの範疇に入ります、妻も女性としてはよく食べる方、しかし揚げたての鶏胸肉丸々一枚は結構な量です。
 それでも牡蠣入りオムレツだけは食べてみたいと思っていたのですが屋台には見つからない……後で調べてみれば屋台通りの外側にある名店を素通りしていたようです。
 そしてその帰り……駅でもホテルでもないのでタクシーが捕まらない、まあ、歩いて15分くらいの距離のはずなのでぶらぶら歩いていれば着くだろうと歩き始めたのですが、台湾の道路案内は通りの名前が中心なんです、でもホテルは台北駅のすぐ近く、台湾の東京駅とも言うべき台北駅くらいは表示しているだろうと思ったのが間違いで、『台北車站』の案内を見つけたのは最後の曲がり角、そこを曲がるともうホテルは見えてました。
 結果的には多分20分くらいで帰りついたのですが、不案内な異国の地で地図を頼りに歩くのはきついものがありますね。
 結論から言えばホテルに寄らずにそのままMRTで剣潭まで行き、士林夜市で食べてタクシーでホテルへ、が正解だったかも……一休みしてしまうと出直すのはきついですわw

11/29 2日目
 今日は台南の高雄へ行く予定で、日本で台湾高速鉄道、いわゆる台湾新幹線のフリーチケットを購入、前日に指定席も取って置きました。
 指定席券の差額を取られるだろうと思っていたのですが、何とここでも無料、往復の新幹線代も割引ではありますが一人7000円、それも3日間乗り放題と言うチケットです、まあ、3泊4日の旅行で乗り放題は使い切れませんが、本当に交通費は安いです。

 指定席を予約した列車は7:20分ごろ出発する列車。
 朝食は駅弁を買おう、と決めていて台北駅で前日に見かけていた弁当屋(台湾では便当、日本語由来かも知れませんね)に……ところがまだ開店していない。
 列車は運行しているし、朝食時でもあるから開けておけば売れるだろうに……と思うのは日本人的感覚なのでしょうか、まあ、あまりガツガツしていないところも台湾人の魅力なのかもしれません、絶対的利便性を追求すれば、こちらも他人の絶対的利便性を満たすため余計に働くことになりますからね、これで良いのかも。
 仕方なく『全家』でおにぎりと飲み物を購入、『全家』は『ファミリーマート』のことです、何のことはない、コンビニおにぎりの朝食、う~ん、いかにも残念だが仕方がありません、時間もなかったですし。
 もっとも、コンビニおにぎりと言っても日本とは具が違います、それなりに台湾っぽい牛肉のしぐれ煮みたいなものを選び、それだけだとちと足りないと思ったので海鮮太巻きも……こちらは微妙に薄い味の酢飯で、正直あまりおいしくはなかったです。
 台湾新幹線は全く日本の新幹線と変わりません、歴史が浅いだけにこちらの方が綺麗なくらい、高雄の入り口・左營駅までは1時間半程度、飛行機よりも快適に過ごせます。
 高雄での最初の目的地は『龍虎塔』、竜の口から入り、虎の口から出ると運気が上がると言う有名な観光地です。
 ここで一つやらかしてしまいました。
 ガイドブックの地図で見る限り、駅と塔は歩いて10分ほどにしか見えないんです、でも、駅員に聞いてみるとバスに乗るのが良い、と言うんですね。
 で、教えられた路線名のバスに乗ったのですが、一向に到着しない。
 実は両方向に巡回する路線で、逆のバスに乗ってしまったんです。
『おかしいな、そんなに遠くじゃないはずなのに』と思っていると、現地の若い、元気な女性が運転手に何か尋ね、逆回りと気づいたらしくて、そして我々にも『ドラゴンタイガー?』と聞くのでそうだと答えると『降りろ、降りろ』と教えてくれたんです。
 結局、道の反対側のバス停に行くと、駅に行きたいらしいお婆さんが居て、元気なお姉さんが尋ねると『もうすぐバスは来るよ』と教えてくれた……らしいです。
 と言うことで何とか龍虎塔に到着、1時間近くロスしてしまいましたが、こんなことも旅の面白さなのかもしれないと納得することにしました。

 龍虎塔はかなり楽しめましたよ。
 塔が位置する蓮池潭は人造湖とのことですが蓮の花も咲いていて中々綺麗だし、龍虎塔の他に孔子を祀る塔と関羽を祀る塔も有り、湖のほとりには大きなお寺も二つある。
 どれをとってもコンクリート造の観光用、と言う感は否めないのですが、そのチープさもいかにも南国情緒と言う感じがして心地良いんです。
 実は台北は亜熱帯ですが台南はもう熱帯なのだそうで、湖の周回道路にはヤシの木やマングローブも生えていて(植えてあってかな?)東南アジアっぽい雰囲気。
 台北を出る時は一応ウインドブレーカーを羽織っていたのですが、こちらでは半袖一枚で充分、昨日の九?とはずいぶんと違います。
 いかにも観光地らしく屋台なども出ていて、半日バッチリ楽しめました。
 

 今度はタクシーを拾って左營駅に戻り、MRTで美麗島駅へ。
 この駅は駅舎の中に巨大ステンドグラスの天井があることで知られています、ガイドブックで見た時はもっと小さいのだろうと思ったのですが、実物は予想外に大きくて描かれているものも神話っぽいもので興味深い。

 日に何度か光のショーも開催されるらしいのですが、この日は地元の小学生のイベントがあるのでショーはないとのこと、この程度は漢字で読めてしまいます、もっとも英語の案内の方が少しわかりやすいんですがw
 昼食は美麗島駅の近くに地元で人気の店がある、と言うことでそこにしようと決め、指定の出口を出ると……。
『ここか?……』
 台湾で地元民に人気の店と言うのは歩道にテーブルを出してある半分屋台のような店が多いです、看板を見るとその店に違いなかったのですが、旅の昼食は休憩タイムでもあるわけで、歩道に出されたメラミンのテーブルと赤いビニールの丸椅子ではちょっと不満、もうそこから別の店を探そうと言う気にもなれずに結局そのすぐ裏にあった店に。
 店の名前は忘れてしまったのですが(確か『汕』と言う文字が入ってたのだけは憶えてます)、結果的にここは結構良かったです。
 本当は火鍋(台湾では鍋料理全般を指すらしい)の店らしくて、テーブルに案内されるとタレの入った器が並べられたのですが、そこまでゆっくりするつもりもなく、日本語も通じない、英語でどうやって表現したものか迷っていると、妻が『We want just simple lunch』と……それでバッチリ通じたらしく『OK OK』とタレを下げてくれました。
 台湾では伝票のようなものに印刷されたメニューに数字を書き込んで注文するのが普通、と知っていたので繁体字に苦戦していると、またしても妻が。
『写真入りのメニューなんだから指差した方が早いんじゃない?』
 仰る通りでございますw
 結局、魯肉飯に似た感じで、豚肉が牛肉に変わっただけのような丼物、ハマグリのスープをそれぞれ二人前、それと昨夜食べ損ねた牡蠣オムレツ、台湾に着いてから野菜をまるで取っていなかったので空心菜の炒め物をひとつづつ注文、特にハマグリのスープはほとんど味付けしていないんじゃないかと思うほど薄味でしたが、その分ハマグリのダシが出ている感じで『沁みる~』と言う感じ、思えば台湾に着いて以来買い食い的な食事ばかりだったことに改めて気づいた次第。
 料理は皆美味くて満足しましたが、お会計は全部で600元、一品が100元、370円と言ったところ、まあ、バーミヤン並みと言ったところですかね、でも落ち着いた店内で休めたことと、味が良かったことを思えば充分リーズナブル、朝、バス騒動でちょっと疲れていましたがしっかりリフレッシュできたので大満足の昼食でした。
 リフレッシュできたところで午後は再びMRTに乗って打狗英国領事館へ。

 ここ、良かったですよ、ガイドブックの扱いは小さかったんですがネットで写真を見て良いなと目を付けてました、建物も資料館にリノベしてはいますが、基本的に当時のものです、本物です。
 イギリス人は台湾に文明も伝えたのでしょうが、結構土地も分捕っていたようで、おそらくそんなことが書いてあったんだろうと思います、漢字ばかりの中国語だとその程度にしかわからないのが情けないですが。
 道路沿いの、当時は役所みたいな場所だったのではと思える建物の裏手、ちょっとした丘を階段で登って行くと、おそらく領事の公邸だったんだろうと思える、英国式レンガ造りの建物が現れます、英国式と言っても現地の職人が建てたんでしょう、どこかトロピカルなムードもあって、海を見渡せるテラスが最高、しかもそこはティーラウンジになっていて、思いっきり『午後の紅茶』を楽しめます、紅茶も現地で採れたものなのでしょうが完全に英国式(もっとも、イギリスに行ったことはないですけどw)、テラスで紅茶を飲んでいると『慕情』のメロディが頭に浮かんできます、そんな感じ。

 妻もここはいたくお気に召した様子で、しっかり時間をかけてお茶を堪能し、敷地内をくまなく散策。
 実は時間をかけたのには他の思惑もありまして、最初の予定ではもうひとつ観光地を挟んで旗津半島へ行くつもりだったのですが、バス騒動で時間を潰してしまったこともあって『もうひとつ』は割愛、でもそれで結果的には良かったかも……アラシックス夫婦の旅行です、そんなに詰め込んでもねw

 領事館を後にして、タクシーを拾ってフェリー乗り場へ、あっという間についてしまい後で思えば歩いても10分くらいだったのですが、70元なら良いでしょう、日本ならバス一人分程度ですしね。
 フェリーと言っても渡し船に毛の生えた程度、旗津へも5分で着いてしまいますし、1階の車両スペースにも車なんか一台も載っていない、その代わりバイクで溢れかえっています、台湾は本当にバイクが多かったですね。

 半島ではレンタサイクルがお勧め、とガイドブックに有り、船着き場のすぐ近くにはレンタル屋が並んでいます。
 ですが、実際には自転車ではなく電動四輪車が人気、二人乗りと四人乗りがあるようですがもちろん二人乗りをチョイスして走り出します。
 これがなかなかw
 電動と言うことで、バイクのようにハンドルに仕込まれたアクセルを回すと走り出すのですが、時速15キロくらいですかね、フルスロットルで。
 なんか遊園地の乗り物のよう、それで公道を堂々と走っちゃいます、実際、車はほとんど走っていなかったですから問題ないんです、その田舎っぽさも良い感じ。
 この四輪車で島を巡るのですが、小さな島なので大した観光スポットはありません、レンタル屋でくれたマップに古いトンネルが描かれていたのでそこを目指します。
 大した観光地はない、と書きましたが、それはつまらないと言う意味ではありませんよ、トンネルの近くに四輪車を置いて徒歩でトンネルを抜けると……海!

 結構荒々しい波が岩場に打ち付ける様はなかなかの迫力でしかも美しい、そして海っぷちにサボテンが生えてるのも不思議な感じです。
 他にも観光スポットはあるのですが、ちょっと英国領事館で時間を使い過ぎたので次なる目的地へ、そこが最終目的地になりますw
 四輪車はビーチに沿ったサイクリングロードをひた走りますが、ところどころ道は切れていて砂にハマるとモーターでは脱出できずにペダルをこぐか、それでもだめなら降りて押してやることに……それが億劫ではなく、束の間の愛車が可愛くなるんですよ、このユルさがイイ!

 ちなみに四人乗りもモーターは同じらしくもっと遅かったですし、砂にハマると四人がかりで押してましたw 日本でこんなことがあったとするとクレームになりそうですが、ユルい雰囲気の中では全然OK、それで良いんじゃないでしょうかねぇ。
 そして!最終目的地は実に良い感じでした。
 ビーチの端っこなんですが、夕日のスポットでもあるんですね。
 11月も末だと言うのに水着で遊んでいる子供たちもいたりして。
 もっとも親は半袖半ズボンではありますが海には入ってませんでしたからまあ、冷たいんでしょうね、あ、サーファーだけは海に入ってましたよ。
 で、そこで木を切り倒しただけ、あるいは流木を引き上げただけのようなベンチに座って、ボーっと日が落ちるのを眺めてました、30分くらい。
 なんか、昔『日曜洋画劇場』のオープニングで見たような夕日を。
 そんな時間って、日々の暮らしにはちょっとないですもんね、良かったですよ(^^)

 再びフェリーに乗った頃にはどっぷりと日が暮れかけて……でももうひとつ予定がありました。
 高雄の街には一本大きい川が流れています、その名も『愛河』、その川にかかる橋は夜になるとライトアップされ、愛河クルーズ、その名も『愛之船』が運航しているのですよ、一応結婚30周年の旅行ですからね、いくら倦怠しきってると言ってもそれくらいのロマンチックはあってもいいではないですか。
 で、フェリーを降りたところに停まっていたタクシーを拾います、この運転手さん、結構な年配で、クルーズ船乗り場の目印となるホテルの名を告げても良くわからないみたいだったんですよ、でもガイドブックの地図を指さすと『OK、OK』ってことで乗り込みます、まあ、方向は間違っていないみたいだし、大丈夫だろうと思ったのですが……着いたところは確かにそのホテルの名前だったんですが、ずっと小さいホテル。
 多分新しい方の大きなホテルは知らなかったのだろうと……台湾のホテルには英語名の他に〇〇酒家って漢字表記もありますから、そっちならわかったのかも。
 とりあえず降りたは良いんですが、どうも様子が違う、でもそう遠くでもなさそうなので河を目指して歩き、橋のたもとで地図を見ていると大学生っぽい女性が声をかけてくれました、日本語で。
 台湾では日本のアニメが大人気らしくて、若い人で日本語を学んでいる人も多いんですよ、就職にも有利なのかな。
 そう言う人は日本語使ってみたいんですね、実際日本人観光客は多いですからそうやって話せば練習にもなりますしね。
 で、その女性もクルーズ乗り場はよくわからなかったらしいんですが、目印になるホテルは知っていて、『あそこに見えるドラゴンの像が立ってるところ』と教えてくれました、で、無事にチケット売り場に到着。

 クルーズも良かったですよ、橋ごとに違うイメージのライトアップがなされていて綺麗でしたし、南国の川面を渡る風が心地良くて。
 中国語のガイドは全然わかりませんでしたけど、拍手が起こってましたから、多分名調子だったんでしょうw
 
 で、その日の夕食は今度こそ駅弁。
 ですが、台北駅で見かけた美味そうなのは売っていなくて、結局野菜あんかけチャーハンのような……まあ、チャーハンも台湾名物と言えないこともないし、野菜不足でしたしね。


11/30 3日目

 私、典型的な朝型人間なんですよ、普段は大体4時ごろ目を覚まして、1時間くらいネットを眺めてそれから仕事にかかるのが日課、旅行中と言えどもそう大きくは変わらなくて、5時ごろには目を覚ましてしまい、しばらくベッドでぐずぐずしているんですが、目を覚ますとタバコも吸いたくなっちゃうんで、6時ごろには着替えて外へ出てタバコを吸い、台北駅の周辺をぶらぶらと。
 で、今朝の朝飯は決まっていませんでしたから、屋台っぽい店で何か買ってホテルに持って帰ろうかと。
 でも大抵の店は7時か7時半始まりなんですね、結局買えたのは饅頭です。
 でも、それは一応ガイドブックにも出てた店で、写真を見て美味そうだなと思っていたキャベツ饅頭、妻は一個で充分でしょうが、私はちょっと足りなそうなので肉まんも。
 美味かったですよ、妻も『美味しい』と喜んでました、肉まんの方はそれなりでしたけど。
 キャベツ炒めを具にしたような饅頭、日本でもコンビニとかで売り出したらけっこう売れそうな気がします。

 3日目は台北巡り、最初に行ったのは龍山寺、台北一のパワースポットとして有名ですよね。
 朝は結構早かったんですが、8時頃には人であふれてました、地元の人と、台湾各地からお参りに来た人たちですかね、声を合わせてお経を唱えていたのが印象的、信心深い人が多いんですね。
 お寺は例によって基本真っ赤で、装飾は極彩色、本堂(?)の前には献花台のようなものが備え付けてあって、ピンクの花が山盛り。


 こう信心深い人たちに混じったら、郷に入ったら郷に従え、見よう見まねで手を合わせて(日本とはちょっと作法が違うようなので)お参り、境内には小さな祠がいくつもあって、一通り巡って、少しづつですがお賽銭も。
 で、ここで一大アクシデント発生!
 境内を一周して来て池の前で一息つくと、カバンのチャックが開いていて、財布がない!
 台湾元はそう入っていなかったのですが、両替していない日本円も入っていましたし、クレジットカードや免許証も。
 パスポートは別にしてありましたし、妻にも日本円を持たせていたので一文無しではないですが、カードと免許証を無くしては一大事ですよ、警備員に説明するのですが、お互い英語力が足りなくてこみ入った話は無理、まいった! と思っていたら警備員が社務所のようなところへ連れて行ってくれて何やら中国語で話すと、社務所の人が『これか?』とばかりに私の財布を掲げて見せます。
 そう、てっきり掏られたと思い込んでしたのですが、実は賽銭を出したりしてるうちに自分で落としたらしく、それをちゃんと社務所に届けてくれた人が居たんです、台湾の方、スリなど疑ってスミマセンでした! あなた方は善男善女の鑑です、台湾元もすっかりそのまま入ったままで私の手元に戻りました、さすがにパワースポット、ご利益もあらたかでした!
 もうね『謝々』の連発でした、拾い主がもしその場に居れば1000元札の一枚くらい惜しくないって感じで。
 
 何やらあったかい気持ちで次に向かったのは中正記念堂、蒋介石のでっかい銅像があるところです。

 ところで、蒋介石って、どうなんでしょうね。
『建国の父』であることはまあ、それに違いないんでしょうが、ぶっちゃけ毛沢東率いる人民解放軍に敗れて、台湾の地に中華民国を作り直したわけでしょう?
 今でも外省人、内省人って言葉は生きている様で、元々台湾に住んでいた人々・内省人から見れば侵略者だったんですよね、今、台湾が親日なのは日本に代わって台湾を治めた蒋介石の圧政のせいもあると言う話も聞きますしね。
 まあ、政治的背景はこの文章の本題ではないのでこれくらいにして、ここで有名なのは衛兵の交代。
 銅像の左右には常に真っ白な軍服を着た衛兵が立っていて、1時間ごとに交代するんです、交代式に15分くらいかかりますから実質45分ですかね、この衛兵さんがマジですごかったです、それこそマネキンのように微動だにしないし、瞬きすら極力抑えているようなんですね、若くてなかなかのイケメンでしたから格好良かったですよ。

 で、交代の衛兵が、腕を水平に上げて膝を45度に上げる独特の歩き方で像の前に進むと、それまでの衛兵は台から降りて合流し、ひとしきり交代の儀式をすると、交代要員と同じ歩き方で去って行くんですが、この交代式、号令がほとんどかからないのに動作がピタリと合う、どれだけ練習してるんでしょうね。
 で、たまたま私がいた場所から、どこへ行くのか見えましたけど、エレベーターでしたw
 エレベーターに乗る時もキッチリ行進してましたけどね。

 次なる目的地は台北101、その名の通り101階建ての高層ビルで最新観光スポットです。
 はっきり言って混んでましたw
 ディンタイフォンと言う小龍包で有名なレストランも覗いてみましたが100分待ち、諦めてフードコートで食事をとりました。
 様々な料理がありましたよ、台湾料理はもちろん、中華料理、日本料理、日本式のラーメンや寿司、ベトナム料理、洋食、ハンバーガー等々、何でもありです。
 でもやはりここは台湾料理、と言うことで目星をつけて、私は線麺のセット、妻は餃子のセット。
 線麺って、台湾では朝食によく食べられるらしいそうめんのようなもの、もちろん日本式にさっぱりと鰹と醤油の出汁で食べるのではなく、肉類の入ったスープに入っているもの。
 正直言ってあんまり……でしたw
 線麺はまあ、悪くはなかったものの、もっとこってりした感じかと思いきや、見た目に反してあっさりした薄味のスープで物足りなかったし、セットの皿は……何食べたか忘れちゃったくらいでw でも妻の餃子セットは美味かったですよ、餃子って中国では、もちろん台湾でもそうなんでしょうが主食なんですね、麺って言う字をよく見ると『麦の面』ですね、小麦粉を練って伸ばしたものが麺なんです、ですから餃子の皮も麺、麺で餡を包んだ料理なんです、ですからセット内容も餃子と酸辛湯、その餃子たるや日本のものの4~5倍はありそうで、それが6本くらい更に乗っているので24~30個分ですよね、妻が食べきれないと言うので一つ貰いましたが、まあ、日本のものと味はそう変わらなかったです、皮がもちもちして厚めだったのと、焼き加減が日本のようにパリッを良しとしていないのか、しんなりした感じで……でもそれが巨大餃子には合っている感じがしました。
 昼食後は展望台へ……のつもりだったんですが、120分待ち……まあ、土曜日の午後イチですからね、1時間くらいは覚悟してたんですが……それと……最初に書きましたでしょう? 私、高い所はあんまり……。
 結局展望台は諦めたんですが、その後、穴場を見つけました(って、妻がガイドブックで見つけてたんですけどね)、四四村と言うのがそれ。
 ガイドブックには101撮影スポット、インスタ映え間違いなし、と言う感じで紹介されていたらしいんですが、ここは日本統治時代、大陸から亡命してきた中国人を当面住まわせていた共同住宅だったそうで、かなり粗末な住戸です、その古さと最新の101の対比が面白いのと、101の全貌がカメラに収められる丁度良い距離、と言うのがガイドブックの言い分(?)だったらしいですが、近代史的に興味深い場所でした。
 今はもちろん共同住宅ではなく、リノベーションしてショップや地域センターになっているのですが外観はほとんどそのまま……と言うことは耐震とか大丈夫なんでしょうかね、ちょっと気になるところではありましたが。


 で、次の目的地は長めにMRTに乗り、台北を通りこして孔子廟へ。

 ですが……この辺りでだいぶ疲れてました。
 今日だけじゃなく、1日目、2日目と精力的に動きましたからね、スマホの歩数計で15,000歩/日。
 孔子廟はそれなりに良かったのですが、併設されていた小劇場のようなところで孔子と孔子廟の教育ビデオのようなものを見始めたとたんに爆睡。
 それでリフレッシュとも行かず、この後、故宮博物院に行こうと思っていた予定をキャンセル、明日に回してホテルで休むことに。
 一休みしてから夕食、台湾で最後の夕食ですから豪華に行こうと思ってましたし、一駅先のレストランが美味しいらしいとチェックしてもいたのですが、改めてMRTに乗る気もせず、台北駅2階のレストラン街へ。
 まあ、そこにも一応目を付けていた店はありまして、そこに入りました。
 疲れていましたがお腹は空いていましたので、小龍包はもちろん二人で8品くらいドンと頼んで、ビールもグイっと。
 で、結果的には頼みすぎでしたねw 一皿の量が日本より多めなことを忘れてました。
 結局食べきれなかったし、味もあんまり……なものもありましたが、ビールも入れて二人で900元、まあ、安いと言えば安いですね、一応ガイドブックに載っているような料理は3日間で一通り食べられましたから良しとしましょう。

 
12/1 最終日

 当然故宮博物院がメインです。

 ガイドブックによれば朝9時を過ぎるとツアー客でごった返し始めるとのことだったので、朝8時半の開門を待つ感じで8:15分ごろには到着してました。
 そうそう、朝食ですが、やはり6時ころにはウロウロしてましたので駅周辺で調達したのですが、昨日嫌と言うほど台湾料理を食べたせいか、あんまり地の料理には食指が動きませんで、結局マクドナルドでテイクアウトw、いや、新鮮でしたw
 ちなみにマクドナルドは日本より少し安いかな、と言った程度、スタバの飲み物も日本並みの値段でしたから、台湾で安いのは地のものと言うことになります、ま、基本的には地のものが食べたいわけですからそれで良いんですが。
 3日目が途中リタイアと言う感じだったこともあり、妻が4日目の計画を練り直してましたので、もう任せたと……故宮博物院だけぜひ行きたいと思ってましたが、それは妻も同じだったので安心です。
 朝イチの博物院は良かったですよ、目玉と言えば『白菜』と『角煮』

残念ながら『角煮』は貸出中とのことで見られませんでしたが、『白菜』はばっちり、それ以外にもめぼしいものがどの展示室にあるかきっちり調べて混み始める前にはこれだけは、と言うものは全部見てしまいました。
 いや、めちゃくちゃ広いし混むので下調べしておいたのは大正解、昨夜頑張って置いて良かった。
 9時過ぎには混み始めると言うのは本当でしたが、9時台なら混むと言っても知れてます、10時くらいにはもう一巡りしてましたのでそこまで混んだと言う印象はなかったです。
 で、故宮博物院にはもうひとつ観光スポットがあるんです、それは中国式庭園。
 良かったですよ、中国本土にある有名な庭園をいくつも参考にして作られたそうで、東家や橋、池などの配置が絶妙で、ここぞと言う撮影スポットはいくつもありました、インスタ映えを画策されているならぜひ……ちょっと渋めですけどね。



 で、次の目的地は蒋介石の邸宅。
 私はそれほど興味なかったのですが、妻は邸宅だの洋館だのには目がない方で。
 広々とした邸宅でしたが、それほど豪華だとか、建築的に興味深いと言うようなこともなく、ちょっとガッカリ。
 
 で、次が最終目的地です。
 なんと、これが101リベンジ!
 昨日は2時間待ちで断念だったのですが、調べてみると特別料金を払うと待ち時間ゼロで展望台まで行けることが判明し、妻は『ならばやっぱり行きたい』と。
 任せた以上こちらとしては従うより他ないです、ただし、やっぱり高い所に登りたいとも思いませんでしたので、私は下で待ってるから行っておいで、と言うことで一件落着、二人分の料金と特別料金はほぼ一緒でしたしw

 待ってるのは退屈じゃないかって? そうでもないんですよ、とにかく賑わう場所ですからミニライブなんかもやってますし、喫煙所もありましたからアイスコーヒー片手に煙草をくゆらし、ぼんやりと街や人を眺めてるのも悪くなかったです、疲れも取れてなかったですしね。
 やっぱり4日間休むとなればそれなりに片づけておかなきゃいけない仕事もありましたし、出発前から元気一杯と言うわけでもなかったんですよ。
 待つこと1時間くらいですか、妻は充分に満足して降りてきました、まあ、結婚30周年記念ですからそれくらいの女房孝行はしてもいいでしょう。
 後は土産を買い、ホテルで荷物を受け取り、タクシーでソンシャン空港へ。
 夜7時くらいのフライトで到着が5時少し前、丁度いい所でしょう。
 空港で元から円への両替をしましたが、戻って来たのは3,000円くらい、でも、最初に両替したのが5万円、二人で4日間、行きたいところへ行って、食べたいものは値段も気にせず食べて、タクシーも使いたい放題使ってましたが、二度目の両替は必要なかったわけです、3,000円戻って来たと言うことは使ったのは47,000円、一人一日6,000円も使わなかったことになります、
 もっとも、故宮博物院のミュージアムショップでの買い物と、最後の土産物だけはデパートでしたのでクレジットでしたが。

 帰りのフライトはすっかり夜でしたから何も見えません、でも帰りの方が時間が短いんですね、気流の関係でしょうか。
 2時間半で羽田に到着、羽田からリムジンに乗り、タクシーを乗り継いで帰宅。
 その交通費は6,000円くらいかかりました、台湾で4日間過ごしたのと同じくらい。
 やっぱり日本は物価が高いですねw

 バスに乗り違えたり財布を落としたりってアクシデントはありましたが、充分に楽しめました、夫婦だけで旅行するのは新婚旅行以来でしたしね。
 台北はもう充分楽しんだ気がしますが、台中、台南ならもう一回くらい行ってもいいかなって正直思います、まあ、他にも旅行先はいくらもありますが、台湾なら2泊、3泊でも充分時間が取れますし、現地での物価を考えれば費用も国内旅行と変わりませんしね。
 東南アジア諸国でも3時間やそこらのフライトで行ける国はそうそうないですし、人が良いので気持ちが良いですね、リピーターが多いのもわかります。
 まあ、元気に海外旅行なんか行けるのは後10年かそこらでしょうし、住宅ローンも終わりますし、これからは一年に一回は夫婦で海外旅行……出来たらいいんですけどねw
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