第1話

文字数 977文字


      
人は心臓に毛が生えないと
この世で生きて行けないのか
どの人も心臓に毛を生やかして
ダーウィンが言うがごとく
他を出し抜いて生き残ることが
この世に生まれてきた
唯一の意義であるとするのか

心臓に毛が生えない種族は
絶滅するしかないのだろう
だから 貴なる種族は
絶滅するしかない運命なのだ
真の勇者 そして 聖者はけっして
心臓に毛が生えることはない
自ら率先して受難することを厭わない
よって 彼らは必然的に
滅亡するしかないのだ

悪貨は良貨を駆逐する
そんな具合で世の中は益々悪くなる一方だ
心臓に毛を生やかした毛むくじゃらの醜い種族で
この世界は満ち満ちることになるのだから

中学生の頃 いつ 自分のちんちんには
毛が生えるのだろうと心配していた
だが 心配することなどなかった
死ぬまでけっして抜けることがない
方々に入り乱れた無数の毛が生えてくるのを
誰も止めることはできなかったのだから


ファンレターさまの紹介

 心臓に毛のない人を目指して

心臓に毛が生えたような、厚顔無恥な人にはなりたくないと思い、今まで生きてきたつもりでした。しかし自分では己の振る舞いに気付かないものなのかも知れませんね。たまに図々しいことをしてしまい、人から呆れた目で見られることがあります。本当の勇者や心の綺麗な人間は、真っ先に押し潰され排除され、心身共に病んで命も縮めてしまうのでしょう。心臓に毛のない人種は長い歴史の中で、滅んでしまったのではないかと思いました。もしそうならば我々は心臓に毛が生えた人種の子孫なのでしょうか。人には優しく親切にするんだよとか、人が嫌がる仕事も自ら進んで行うようになどと教わって来ましたが、自分の過去の経験から、どうしてもそんな風に思えないのが現実です。人としてどうかと考えていては周りから置いていかれ、ぼんやりしている間に人から厄介なことを押し付けられ、それでも頑張っているのに感謝もされず、遅いとか文句ばかり言われる羽目にあいます。だから自分も薄汚いのは承知の上で、人を押し退け図々しく生きるようになってしまうのではないかと思いました。そんな人間達で世界が埋め尽くされているのなら、何とも生きづらい世の中です。自分のエゴだけで生きていたら、いつかは地球が滅びるのではないかと心配しています。そんな風にならないように、心に剛毛が生えない生き方を考えてみたいと思います。


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