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文字数 690文字

 えーい!1分過ぎた早く答えろ!
と私が業を煮やし、立ち去ろうとすると。

『それは私達の宇宙船のエネルギーパックだ。返してくれ。それなりのお礼はする』

と言った。まったく、急いでいるのに。
 私は、

「勝手にしろ。後で嘘だと分かったら、警察に届けるからな!防犯カメラに映っているぞ」

 そう言うと、ポケットから卵の半分みたいな物を渡して。さっさとお客様の会社に入った。
1分の遅刻だった。
お客様がお待ちだった。応接室でお茶を飲んでおられた。
 しまった!と思ったが。お約束したこの部長さんは優しい方で笑いながら。

「佐藤君が遅刻とはね。あはは、雨でも降るのかな?」

と仰有った。私は平謝りに謝って、

「申し訳ありません。変な者達に絡まれまして学生かと思いますが」

と簡単な言い訳をすると、仕事の話を始めた。
 そして、2時間程打ち合わせをして。
私は仕事を終わらせた。
 良かった出だしはつまずいたが、良い仕事が出来た。よし帰って、うちの部長に報告だ。
その前に電話しておこう。
私は部長に電話をして、問題なく打ち合わせが終わり、会社へ帰ると連絡を入れた。

 部長は急いで帰らなくて良いから、ゆっくり帰ってきたまえ、と仰有って下さった。
私は何と、上司やお客様に恵まれているのだろうか?感動が体を駆け巡った。
サラリーマンは辞められないな、あはは。
 私は笑顔で、お客様の会社を出た。

 すると玄関の前にはさっきのパフォーマンス集団が屯していた。私はムカッとした。
若い者が、学生とは言えこんな所でイタズラをして時間を潰しているとは。
日本の将来は君達にかかっていると言うのに。
 私は普段なら言わない、説教を彼らにしてしまった。
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