怖い話

文字数 435文字

 お母さんはよく私たち姉妹にお話を聞かせてくれたけど、ごくたまに、怖い話をするときがある。


 物語の主人公は『願いをかなえてくれるもの』をどこからか手に入れて、巨万の富を手に入れる。


 何不自由なく暮らしていたが、最愛のひとり息子を事故で亡くしてしまう。


 悲しんだ主人公は、『願いをかなえてくれるもの』にお願いした。


 息子をよみがえらせてくれと。


 願いはかなった。


 よみがえった息子は異形のモノと化していて、元の姿ではなかったのだ。


 玄関のドアがノックされる。



『おとう……さん。開けてよ……。開けてよ……』



 おびえてしまった主人公は、『願いをかなえてくれるもの』に頼んだ。


 息子を永遠に消してくれ、と。

どうして最愛の息子なのに『永遠に消してくれ』だなんて言うの?
そうね。でももし、美結が生き返っても、お母さんだったら、物語の主人公と同じことを願うかな?
お母さんは美結が嫌いなの?
ううん。そうじゃない。安らかに眠っている人を、無理やり起こすのはよくないわ
――さっ、寝ましょうね
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登場人物紹介

雪代和馬役

天花美結役

天花美結のお母さん役

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