5-8 お花畑
文字数 1,572文字
すると机の後方に棚が現れる。そこには一振りの日本刀が鞘に入った状態で掛けてあった。橙色の飾り紐がその場の全員の目をひいた。
意外にも詮充郎 はあっさり引き下がった。だがその言葉は永 ではなく蕾生 に向けたものだった。
ぶりぶり怒って部屋を出ていく
建物から出ると辺りは少し暗くなりつつあった。役所で鳴らす夕方のチャイムが遠くで響いている。
この場において、丸く収める言葉を言える者はいなかった。自然と沈黙に包まれる。
少しの間の後、それを破ったのは