3-9 共に来い
文字数 1,093文字
ライとリンが左右にいてくれれば何だってできる。英 治親 はそれだけをよすがに長い時を生きてきた。
その姿は自信に満ちた主君然としていて、
──お嬢様、よろしいですか?
あの……、皓矢 様がそろそろお戻りになるそうで、ご友人方にはお帰りいただくようにと奥様が……
そうして永 と蕾生 は屋敷を後にした。星弥 と鈴心 が揃って見送る。いつの間にか雨は止み、元の曇り空に戻っていた。