詩小説『僕のアパートで今夜は呑もう』3分の長い夜。大人へ。

エピソード文字数 670文字

僕のアパートで、今夜は呑もう

呼び鈴が鳴った。

扉を開けば、
レジ服ぶらさげた君が立っている。

僕のアパートで、今夜は呑もう。
ふたりで呑もう。

部屋着の君を見た。
初めてだった。

肩からはみ出してある紐は、
見えていいヤツなのか?

丸まる裸足は、
真っ赤なネイルがしてあった。

僕のアパートで、今夜は呑もう。
ふたりで呑もう。

あぁだ、こぉだ零しながら、
真面目な顔して悩んでいる。

缶チューハイ片手に、机へ頬をふせて、
伸ばした手、半袖の肌は白かった。

少し酔いすぎたくらいが、
今はちょうど良かった。

僕のアパートで今夜は呑もう。
なにげないふりして呑もう。

机の上には空き缶が並ぶ。
話は尽きないみたいだ。

本音もちらりと見え隠れする。
ため息吐き出す横顔に吸い込まれた。

僕のアパートで今夜は呑もう。
誰も知らない君と呑もう。

開け放ったガラス窓から、
呼び込んだ夜の生温い風。

眺めた景色、
ぽつりぽつりと街の光。

突き抜けた車。
ガソリンスタンドの灯り。

僕のアパートで今夜は呑もう。
あえて生活感漂わせて呑もう。

ベランダにお酒を持ち寄って、
まるで一杯目みたいに飲み直し。

寝るには惜しい夜に。
薄暗い中、光と風を浴びる君。

僕のアパートで今夜は呑もう。
メイク落とした君と呑もう。

着飾っていない素顔の君。
色っぽく見えたんだ。

心を丸裸にした君。
綺麗に見えたんだ。

僕のアパートで今夜は呑もう。
ふたりで呑もう。

僕のアパートで今夜は呑もう。
もっと近くで、呑もう。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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