第一部終幕!それぞれの道

文字数 5,101文字

 カラフト帝国建国後、青の革命団メンバーは、各々が思うように生きていく。その多くは帝国に残り、これからの国家運営へ深く関わっていくことになるのだが...。
 彼らがどのように生きたのか、ここに書き記しておくことにする。



 ・北生 蒼 〜 蒼天の革命家
 帝国の創始者として皇帝の座に着き、『武帝』という別名を名乗る。生物の在り方を根本から変えるべく、様々な画期的な政策を打ち出し、カラフト帝国を独自路線で経営。自らが掲げる真の平等社会の為に奮闘する。
 他国との関係も大事にしていることから、国際社会から評価された。一方で、戦争においては、持ち前の残虐さと冷酷さを全面に押し出し、敵を立ち直れなくなるまで徹底的に叩きのめす残忍な行為を連発。非難の的にもなった。特に戦争相手のロシアからは、鬼畜野郎、残虐陛下などと呼ばれ、恐怖の対象にされた。また、時に狡猾な戦術も用いたことで、乱世の奸雄と呼ばれることもある。
 国民からの信頼は厚い。バリアフリーや高齢者介護、子供達の教育や災害対策など国民に寄り添う政治を推進。また、各地の祭りやボランティアにも顔を出し、暗殺を恐れずに庶民の中へ身を置き、共に汗を流して働く姿は、親しみやすい国家元首の鏡として尊敬の的にもされた。
 部下からは、軍令違反をする者に対して、冷酷な懲罰を加えることで恐れられる。その一方で、基本的には穏健で、誰のことも平等に評価することから、好き嫌い分かれるものの、どちらかといえば慕う者の方が多い。
 プライベートでは、紗宙と結婚。日々彼女に叱られながらも、仲睦まじい生活を送っている。広い邸宅に住んでいるが、家事の雑用をほとんど雇わない庶民主義を貫く。その姿が多くの国民に感銘を与え、信頼される一つの要因ともなった。
 とはいえ、野望を腐らせたわけではない。皇帝として国を運営しながらも、日本再統一へ向けて、虎視眈々と列島進出のチャンスを伺いつづる。



 ・袖ノ海 紗宙 (北生 紗宙) 〜 純白の月光
 帝国建国後、皇帝秘書として蒼の側で仕事をしていたが、彼と結婚してからは皇后として公務に従事することになる。
 美人でクールなとっつきにくい第一印象とは裏腹に、慈愛に溢れるその人柄は、昔と変わらず多くの人を惹きつけた。そして、国家のファーストレディーとしての役割を存分に果たすのである。
 プライベートでは、旦那となった蒼や愛猫レオンとともに、宮中または豊原邸と呼ばれる邸宅で、驕り高ぶらずに細々とした普通の幸せな生活を送る。庶民からは、皇后、または紗宙さんと呼ばれて親しまれている。
 人と関わることが好きなので、蒼とともに様々な地域を訪問。行く先々で多くの人を助け、民衆から感謝状を頂くことも多い。コミュニケーションが苦手な蒼と国民の架け橋的役割も果たしている。



 ・カネスケ (直江 鐘ノ助) 〜 小伏竜
 建国の英雄の一人として語られるようになる。彼のエピソードを知った人々は、実際に会ったことがないのにも関わらず愛着を持ち、中には彼をモデルにした小説やドラマを作るクリエイターもチラホラ現れた。
 帝国建国後。彼の葬儀が改めて行われ、関わりのあった革命団メンバーを中心に、民衆を含めた多くの人々により盛大に葬られる。彼の葬儀は、帝国初の国葬となった。



 ・先生 (諸葛 真)〜 創世の天才
 建国後、すぐにニューヨークへと渡り、国際連合や諸外国との交渉に取り掛かる。その見事な交渉により、カラフト帝国は国際的に認められ、世界の後押しを受けられるようになった。
 また、彼が蒼に手渡した知恵袋のおかげで、帝国はロシアを打ち破ることに成功。国内外問わず、天才軍師の名を轟かせ続けることとなる。
 国政に置いても初代宰相を務め、軍事に関わる一方で内政にも力を注ぐ。彼が宰相に就任してから法律の多くが制定されて、荒廃していた国土も1年で元へ戻り、更に発展を遂げることになる。



 ・河北 典一 〜 忠義の格闘家
 蒼が皇帝に就任する姿を見届けてから、国政とは距離をおいて、スローライフを送ろうと考えていた。
 しかし、蒼のたっての願いということもあり、政府を離れることを辞め、兵士に武術を教える師範として国家へ貢献していく道を選んだ。
 その後、皇帝近衞部隊の隊長の座で落ち着いた。



 ・市ヶ谷 結夏(直江 結夏)〜 革命団の太陽
 帝国建国と同じ年、カネスケの息子を出産。当初は極京に住んで育児に励んでいたが、暖かい地域で子育てをしたいという思いから、蒼の計らいでアメリカのカリフォルニアへと転居。
 シングルマザーとして子供を育てながら、空いた時間を見つけては、ヘルプとして現地の美容院へ出勤。言語の壁を超えて地域の人々に愛されながら、美容師を続けている。



 ・市ヶ谷 灯恵(直江 灯恵)〜小卒の外交官
 帝国建国後、先生と一緒にニューヨークへと渡る。そこで彼の秘書を務めながら、自らも外交交渉に参加。
 アメリカ在住中に、蒼の許可を得た上で現地の語学学校へと留学。帝国へ帰国した時には、英語もネイティブ並みに話せるまでに成長していた。
 帰国してからは、ロシア連邦との外交交渉で、その語学力を遺憾無く発揮。彼女の活躍もあり、交渉において帝国が優勢に立てたことで、ロシアから多額の賠償金と北カラフトを譲渡させることに成功した。
 ロシア語、日本語、そして英語の3カ国後を感情豊かに話す彼女は、諸外国から関心の的となり、『小卒の外交官』として世界に名を知らしめることになる。
 



 ・関戸 龍二 〜 片目の龍
 帝国軍初代総司令官へ就任。先生と共に帝国軍の編成や育成に尽力。カラフト各地で起こった反乱やテロ、その他犯罪の鎮圧を行い、国の治安の安定に貢献。ロシアとの北伐戦争では、先頭に立って戦い、帝国軍を勝利へと導いた。
 軍事以外では、皇帝に物を言える数少ない存在として、政府内で重宝される。蒼が間違った判断をしようとした際に、堂々と意見を言うなど、彼の影響力は大きい。



 ・酒々井 雪路 〜 志を記す者
 カラフト帝国の初代法務大臣。憲法や国の制度作りのほとんどに携わり、帝政民主主義の基礎を作った人物として知られるようになる。皇帝である蒼の過激な意志を取り入れながらも、国民が暮らしやすいようにバランスを考えながら決まりごとを作るなど、精神をすり減らしながらも器用に国家運営へ関わって行く。
 また、蒼からの依頼で、カラフト帝国の成り立ちとその後を書き記す『ニホン散国志』の編集者にもなり、日々忙しい生活を送り続けている。
 たまの休みに、龍二とカラフト各地をツーリングすることもあり、自身が主催のバイクサークルも立ち上げた。



 ・イカシリ 〜 お洒落なスナイパー
 帝国軍のスナイパー部隊の設立に貢献。射撃の腕は衰えることを知らず、北伐戦争ではその腕を遺憾なく発揮。帝国設立後にイスラエルで開催されたエルサレムオリンピックでは、クレー射撃の選手として帝国初の選手団を率いて参戦する。
 他にも、カラフト中のヒグマを管理するマタギ省の初代大臣も兼任。帝国警察や軍と協力しながら、獣害への対処も行なっている。また、皇帝直属暗殺部隊にも所属して、日本国やロシアからのスパイの粛清に携わるなど、国家の陰の部分にも関わりを持つことになった。
 プライベートにおいては、趣味で作っていた洋服が海外のデザイナーの目にとまり、晴れて夢でもあったアパレルブランドを立ち上げる。そこでデザイナー兼社長として、休みを返上しながら好きな仕事に勤しんでいる。



 ・間宮 恋白 〜 次世代の革命女
 極京にて、父の麟太郎と幸せな日々を過ごす。灯恵と結夏が海外へ行ってからは、紗宙を実の母のように慕い、幼稚園で作った友達と一緒によく豊原邸へと遊びに来るようになる。
 紗宙の飼い猫であるレオンとは仲良しで、レオンが恋白のことを慕って時たま間宮家の玄関に顔を出しに行く程。



 ・間宮 麟太郎 〜 優しき父
 帝国の初代経済担当大臣。元々は、恋白との時間を優先させたかった為、大臣を務めるつもりはなかった。しかし、蒼に直接頭を下げられ、家庭優先を条件に大臣へ就任することとなる。
 有識者と話し合いを進めながら、帝国の株式市場と国家の中央銀行である『帝国銀行』の設立に携わった。



 ・許原 長治 〜 戦場の横綱
 軍人として、各地で戦いに明け暮れる日々を過ごす。彼の率いる第八師団は、北伐戦争において大活躍を見せ、その報酬として北カラフト治安維持局長も務めることとなる。
 イカシリと共にオリピックへも出場。相撲の選手として国際的にも認知度が上がった。



 ・レオン 〜 皇后の愛猫
 豊原邸にて、皇帝夫妻と共に幸せな毎日を過ごす。紗宙のことはもちろんだが、蒼にも懐いていて、彼の心の支えにもなっている。



 ・石井 重也 〜 革命の先駆者
 帝国議会の初代議長として、国の議会や議員選挙の仕組み作りに貢献。兼任していた平和の党の幹事長は、矢口の許可を得た上で退職。正式に帝国の政治家の道を歩んでいくことになる。
 彼も先生や灯恵に負けず劣らずのロシア語を話せるので、通訳としても力を遺憾なく発揮した。



 ・奥平 睦夫 〜 クールな武闘派
 しばらくは石井のボディーガードを続けたが、蒼から正式に軍隊への移籍の命を受け、帝国軍第5師団の司令官に就任。北伐戦争では、千島列島方面で軍を率いて戦う。彼がその時にアッツ島を制圧したことで、千島列島も帝国の領土へと組み込まれることとなった。
 戦後は、一時期帝国議会で議員を務めたが、政治よりも軍人が性に合っていることに気づき、再び軍へと戻る。その後、日本再統一の最前線とされるコルサコフの防衛を任されることになる。



 ・風吹 防夷 〜 雪原の革命児
 石井の家に住まわせてもらいながら、一般人として極京で学生生活を送っていた。しかし、2年後に起きた北伐戦争の際、志願兵として帝国軍の門を叩き、再び帝国の為に戦う道を選ぶ。
 その戦争中、AIMの将軍ユワレに鍛えられながら戦いの心得を学んだ。戦後は、豊原七銃士の1人となり、帝国軍の期待のルーキーとして一目置かれる存在の1人となった。



 ・首里八 勝貴 〜 革命団の影
 建国当初は、アメリカへ渡った先生の代理で帝国軍軍師を務め、兵士の育成に力を注ぐ。元々教師だった為か、その豊富な知識と指導力、頭の回転の速さが評価され、政府内でも一目置かれる存在となる。
 しかし、社会への恨みと過激思想も持ち合わせていたので、時折行き過ぎた行為も実行して、政府関係者の一部から非難の声が上がることもあった。
 蒼との相性は良く、彼の相談役としても重宝されて行く中で、皇帝直属暗殺部隊の長に就任。時に手を汚しながら、国を影から支えて行くことになる。



 ・サク 〜 英雄の末裔
 AIM2代目首長へ就任後、道東および旭川の人々のために力を尽くす。父の意志を強く受け継ぎ、アイヌと和人のわだかまりが一切ない平等な社会の実現に向けて領土の経営。
 その傍ら、カラフト帝国の良きパートナーとして国づくりをサポート。帝国が北伐戦争に勝利できたのは、彼が力を尽くしたことも理由の一つだ。
 元青の革命団メンバーと時折連絡をとっており、気にかけ続けている。



 ・アイトゥレ 〜 首長の右腕
 サクが首長に就任してからも、引き続きAIM軍の司令長官を任され続ける。
 弟子のような存在のカネスケの死を知った時は嘆き悲しみ、一時は自宅に引きこもっていたこともあった。
 帝国建国後に行われたカネスケの国葬では、仕事そっちのけで帝国を訪れ、墓前で想いを語った。



 ・ユワレ 〜 赤き獅子
 蒼から何度もオファーを受けたが全て断り、サクへの忠誠を誓い続ける。その義に熱い性格から、AIM領内外問わず多くの人から好かれている。
 カラフト帝国とロシア連邦の戦争である北伐戦争には、多忙なサクの代理として援軍を率いてカラフトへ渡り、蒼の指揮下でロシアと戦った。この時に帝国軍の見習い兵士の訓練も任され、そこで経験を積んだ7人の兵士が、戦後に豊原七銃士として名を馳せることとなる。



 ・豊泉美咲 〜 銀髪の刺客
 古丹別の一件の後、札幌へ戻り再び官軍の幹部として仕事を続けていた。知事の京本に従いつつも、陰ながらカラフト帝国をサポート。時に有益な情報を蒼に提供する。
 また、紗宙との交友は続いていて、公務外ではお互い連絡を取り合い支え合う。出張を理由に極京を訪れては、突然宮中を訪れるなど、相変わらず自由奔放な日々を過ごしている。





 .....END




 
 (第一部 終幕)
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登場人物紹介

・北生 蒼 (きたき そう)

本作シリーズの主人公であり、青の革命団のリーダー。

劣悪な家庭環境と冴えない人生から社会に恨みを抱いており、革命家に憧れてこの国を変えようと立ち上がる。

登場時は、大手商社の窓際族で、野心家の陰キャラサラリーマン。

深い闇を抱えており、猜疑心が強い。自身や仲間を守るためになら手段を選ばず、敵に残忍な制裁を加えて仲間から咎められることも多い。非常に癖のある性格の持ち主ではあるが、仲間に支えられながら成長していく。

仙台にて潜伏生活中に、恋心を抱いていた紗宙に告白。無事に彼女と恋人関係になった。

北海道戦争では、先生のバックアップも有り、一部隊の将として活躍。冷酷で過激だけど大胆な行動で、過酷な環境を生き抜き、指揮官としての頭角を表していく。

イソンノアシの息子のサクとは、紗宙を巡って激しくぶつかり合ったが、戦争が終わる頃には良き戦友として掛け替えのない絆で結ばれる仲となる。

・袖ノ海 紗宙 (そでのうみ さら)

青の革命団メンバー。

蒼の地元の先輩であり、幼馴染でもある。

婚約者と別れたことがきっかけで、有名大学病院の医療事務を退社。

地元に戻ってコンビニでバイトをしていたが、ある事件がきっかけで蒼と共に旅をすることになる。

頭も良くて普段はクールだけど、弟や仲間思いの優しい性格。絶世の美人で、とにかくモテる。

旅の途中でヒドゥラ教団に拉致監禁されるが、蒼たち青の革命団によって無事救出される。そして蒼からの告白を受け入れ、彼とは恋人同士の関係になった。

北海道戦争では、自分が原因で蒼とサクが対立していることに悩みながらも、一途な心を忘れずに蒼の為に尽くす。

また、札幌官軍の回し者だった美咲の謀略を見破ったり、自らが身代わりとなって結夏の代わりに紋別騎兵隊の捕虜になるなど、予想外の行動力で仲間の危機を幾度となく救った。

・直江 鐘ノ助 (なおえ かねのすけ)

青の革命団メンバー。

蒼の大学時代の親友で、愛称はカネスケ。

登場時は、大手商社の営業マン。

学生時代は、陰キャラグループに所属する陽キャラという謎の立ち位置。

テンションが高くノリが良い。仕事が好きで、かつては出世コースにいたこともある。

プライベートではお調子者ではあるが、仕事になると本領を発揮するタイプ。

蒼の誘いに乗って、共に旅をすることになる。

北海道戦争の最中、好意を抱いていた結夏に思いを告げ、晴れて恋人同士となる。

仕事面では、先生の推挙もありAIMの参謀に就任。道東遠征において持ち前の頭のキレを遺憾なく発揮。その参謀としての才が認められ、周囲からは『小伏竜』のあだ名で知られるようになる。

・諸葛 真 (しょかつ しん)

青の革命団メンバー。

蒼が通っていた自己啓発セミナーの講師で、かつて国連軍の軍事顧問を務めていた天才。

蒼とカネスケに新しい国を作るべきだと提唱した人。

冷静でポジティブな性格。どんな状況に陥っても、革命団に勝機をもたらす策を打ち出す。

蒼の説得により、共に旅をすることになる。

その存在感と功績は大きく、彼のおかげで今の革命団があると言っても過言ではない。革命団のメンバーからは、先生と呼ばれ親しまれている。

北海道戦争では、旧友イソンノアシの依頼でAIMの軍師を勤め上げ、数々の戦いにおいて最高責任者として軍を勝利に導いた。また、AIMに尽くす一方で蒼に対する信頼と忠誠心に変わりはなく、深い知識と幅広い人脈を駆使しながら新国家の土台作りの方も着実に進めていく。

・河北 典一 (かほく てんいち)

青の革命団メンバー。

沼田の町で、格闘技の道場を開いていた格闘家。

ヒドゥラ教団の信者に殺されかけたところを蒼に助けられ、それがきっかけで青の革命団に入団。

抜けているところもあるが、革命団1の腕っ節の持ち主。忠誠心も強く、仲間思いで頼りになる存在でもある。

自動車整備士の資格を持っていて、戦いの傍らで先生のバンや軍用車の整備に携わることもしばしば。

カネスケとは結夏を巡って争うことがあるが、喧嘩するほど仲が良いと言った関係である。

北海道戦争では、蒼のボディーガードから小隊の隊長まで幅広い職務をこなし、AIMと革命団に大きく貢献する。また、蒼の組手の相手として訓練に付き添い、持てる限りの技術を彼に伝授する。

・市ヶ谷 結夏 (いちがや ゆな)

青の革命団メンバー。

山形の美容院で働いていたギャル美容師。

勝気でハツラツとしているが、娘思いで感情的になることもある。

手先が器用で運動神経が良い。

灯恵の義理の母だが、どちらかといえば姉のような存在。

元は東京に住んでいたが、教団から命を狙われたことがきっかけで山形まで逃れる。

流姫乃と灯恵の救出作戦がきっかけで、革命団と行動を共にするようになる。

山寺の修行で投げナイフの技術を取得。持ち前のセンスを活かして、革命団の危機を何度も救った。

蒼や先生は、彼女のことを天才肌だと高評価している。

革命団のムードメーカー的存在でもある。

北海道戦争では、主にカネスケ率いる部隊と共に行動。密かに好意を抱いていたカネスケと両思いだったことがわかり、彼と付き合うことになった。

道東の戦いにおいて因縁の男である神威と再会。彼が率いる紋別騎兵隊に襲われた際は、灯恵を守るためにプライドを捨てて囚われの身となったが、カネスケと蒼によって無事助け出された。

・市ヶ谷 灯恵 (いちがや ともえ)

青の革命団メンバー。

結夏の義理の娘。

家出をして生き倒れになっていたところを結夏に助けられた。

15歳とは思えない度胸の持ち主。

コミュ力が高く少々やんちゃではあるが、芯の通った強い優しさも兼ね備えている。

秋田公国に拉致されたところ、革命団に助けれ、それがきっかけで共に行動することになる。

戦場では戦えないものの、交友関係を作ったりと、陰ながら革命団を支えている。

先生から才を認められ、彼の弟子のような存在になりつつもある。

北海道戦争で北見の街が紋別騎兵隊からの襲撃を受けた際、まだ幼い恋白を背負いながら極寒の雪山を命懸けで駆け抜け美幌にあるAIMの陣地まで戻る、という偉業を成し遂げたことで有名になった。

・関戸 龍二 (せきど りゅうじ)

青の革命団メンバー。

『奥州の龍』という異名で恐れられた伝説の不良。

蔦馬に親族を人質に取られ、止むを得ず暴走神使に従っていた。

蒼と刃を交えた時、彼のことを認める。

革命団が蔦馬から両親を救出してくれたことに恩を感じ、青の革命団への加入を決める。

寡黙で一見怖そうだが意外と真面目。

そして、人の話を親身になって聞ける優しさを兼ね備えている。

蒼にとって、カネスケと同等に真面目な相談ができる存在となる。

真冬の北海道でもバイクを乗り回すほどのバイク好き。

北海道戦争では、主にスノーモービル機動部隊を率いて戦場を駆け巡り、常に最前線に身を置く。そして、紋別騎兵隊や土方率いる札幌官軍と激しい死闘を繰り広げた。

その最中で土方から目潰しをくらい、片目を失うこととなった。

・酒々井 雪路 (しすい ゆきじ)

青の革命団メンバー。

かつては政治家を目指して、東京の大学で法律を学んでいたが、少数民族の為に戦いたいという思いから北海道へ渡り、AIMに参加する。

ツーリングが趣味で、それ故に機動部隊へと配属されてしまう。

だが、そこで龍二と出会い、彼の紹介で青の革命団へと加入。蒼や先生とともに、新国家の憲法作成することになった。


・イカシリ

青の革命団メンバー。

AIM軍の腕利きのスナイパーで、アイヒカンの部隊に所属していた。

射撃の腕は一流で、美咲から密かにライバル視されている。

南富良野で蒼と一緒に戦った時、彼に才能を認められ、次第と行動を共にすることが多くなる。そしていつの間にか、蒼の配下のスナイパーとなり、彼の元で官軍と壮絶な銃撃戦を行う。

服が好きで、アイヌの伝統衣装を自分でアレンジして作った服を着こなしている。

・間宮 恋白 (まみや こはく)

青の革命団メンバー。

麟太郎の娘で、年齢は4歳。

生まれたばかりの頃、麟太郎が官軍に捕えられてしまい、母子家庭で育つ。

紋別騎兵隊が街に侵攻した時、母親を殺され、更には自分も命を狙われるが、サクの手により助けられた。

それから灯恵の力により、北見の街を脱出して、一命を取り留める。

命の恩人でもある灯恵のことを慕っている。また彼女から実の妹のように可愛がられており、「こはきゅ」という愛称で呼ばれている。

・間宮 麟太郎 (まみや りんたろう)

青の革命団メンバー。

恋白の父親で、元銀行員。

網走監獄に捕らえられていたが、AIMの手により助け出された。

娘が灯恵により助けられたことを知り、何か恩返しがしたいと青の革命団に参加する。

経済について詳しく、蒼からは次期経済担当大臣として、重宝されることになる。

また長治とは、監獄で共に生活していたので仲が良い。

・許原 長治 (ゆるしはら ちょうじ)

青の革命団メンバー。

元力士。北海道で武者修行をしていた時、AIMに協力したことがきっかけで、網走監獄に捕らえられていた。

囚人達からの人望が熱く、彼らをまとめ上げる役を担っていた。

AIMに助けられた後は、青の革命団に興味を持ち、自ら志願する。

典一と互角にやりあうほど喧嘩が強く、蒼や先生からの期待は厚い。

監獄を共に生き抜いた間宮と、その娘の恋白とは仲が良い。

・レオン

紗宙が飼っている茶白猫。

元は帯広市内にいた野良猫であったが、紗宙と出会い、彼女に懐いてAIM軍の軍用車に忍び込む。

大雪山のAIM陣で紗宙と再会して、彼女の飼い猫になった。

・石井 重也 (いしい しげや)

青の革命団メンバーであり、日本の国会議員。

矢口宗介率いる野党最大の政党、平和の党の幹事長を勤めている。

党首である矢口から命を受け、用心棒の奥平とともに北海道へ渡航。先生の紹介で蒼と会い、革命団への加入を果たす。

政治に詳しい貴重な人材として重宝され。雪路とともに、新国家の憲法作成に携わっていくこととなる。

頑固で曲がったことが嫌いな熱い性格だが、子供には優しいので、恋白から慕われている。

元青の革命党の党員でもあり、革命家の江戸清太郎と親しい関係にあった為、革命家を志す蒼に強く共感していく。

・奥平 睦夫 (おくだいら むつお)

青の革命団メンバー。

平和の党の幹事長である石井の用心棒として、共に北海道へ渡航。先生の紹介で蒼と会い、革命団への加入を果たす。

石井とは青の革命党時代からの知人で、かつて彼の事務所で勤務をしていた。その頃、江戸清太郎の演説を聞きに来ていた蒼にたまたま遭遇している。

普段は物静かだが、心の中に熱い思いを持った性格。

・風吹 防夷 (かぜふき ぼうい)

古丹別出身の13歳。

ヒグマに家族を殺され、故郷の村も壊滅寸前まで追い込まれる。

官軍に助けを求めるべく、一人で旭川まで向かおうとしたが、厳しい寒さの中で生き倒れとなってしまう。

革命団に助けられ、共に行動するようになる。

生意気でお調子者だが、意外と臆病だったりもする。



※第六十四幕から登場

・首里八 勝貴 (しゅりばち かつたか)

36歳の元教師。かつて教育現場にて、生徒やその保護者、同僚、上司から理不尽な仕打ちを受けて仕事を辞める。その後も転職をし続けたものの、どこへ行っても人間関係が上手くいかず退職を繰り返した。

この経緯から、自らの価値を見出してくれる組織と巡り合うことを期待して、戦時中の北海道へ渡道。

たまたま出会った神威と意気投合して、彼の軍の参謀を務めていた。

蒼と似て野心家で、社会や政府を批判的に見ることが多い。また頭が良く、先生と並ぶ軍師として期待されるようになる。



※第六十五幕から登場

六十七幕にて、青の革命団へ加入

・豊泉 美咲 (とよいずみ みさき)

札幌官軍三将の1人。

セミロングの銀髪が特徴的なスナイパー。銃の腕前は、道内一と言われている。

性格はポジティブで、どんな相手にも気軽に話しかけられるコミュ力の持ち主。

官軍士官学校時代、心理学を専攻していた経緯もあり、相手の気持ちを読むことが上手い。その為、将軍というよりかは参謀寄り。また、軍を率いて戦うよりも、潜入調査など単独任務を行うことが多い。

入隊から4年で異例の出世を遂げたスーパーエリート。三将の筆頭である土方のことを尊敬している。

北海道戦争では、スパイとしてAIMに潜入。AIMと革命団を大いに苦戦させた。

潜入の最中、紗宙と親交を深め、国家とか忖度とか、そういったものを抜きに関われる親友となった。


※第七十三幕で登場

・サク

イソンノアシの息子で、英雄シャクシャインの末裔。

毒舌で攻撃的な性格。

実行力と統率力、そして軍才があるので、AIM関係者からの人望が厚い。また父を尊敬していて、親子の関係は良好。

しかし、好戦的で容赦がないので、札幌官軍からはマークされている。

かつては、温厚かつ親しまれる毒舌キャラだったが、恋人を官軍に殺されてから変貌。和人を軽蔑して、見下すようになったという。

殺された恋人と瓜二つの紗宙へ、淡い好意を寄せていたが故に、蒼と激しく対立をしていたが、戦いのなかでお互いを認め合い和解。

蒼とも紗宙とも、同じ軍に所属するメンバーとして共に歩んでゆくことを誓った。

料理が得意で、時折革命団メンバーへアイヌの郷土料理を振る舞ったりする。

・イソンノアシ

AIMの首長であり、英雄シャクシャインの末裔。

サクの父親でもあり、温厚で息子思いの性格。それ故に、AIM軍や統治領域の民衆からの人望が厚い。

諸葛真が大学生の頃、遭難から救ったことがきっかけで、彼とは親友の仲になる。

息子であるサクの和人嫌いというトラウマを克服させる為に、彼を革命団の案内役に任命した。

北海道戦争では、総大将として軍をまとめ、暗殺されかけたりもしたが、AIM軍を勝利へと導いた。

・御堂尾 神威 (みどうお かむい)

元紋別騎兵隊の副隊長。

日本最恐の軍隊と恐れられた騎兵隊の中でも、群を抜く武勇と統率力を誇っていた。

しかしその性格は、冷酷で自分勝手で俺様系。人を恐怖で支配することに喜びを覚え、敵対した者は、1人残らず殺し、その家族や周りにいる者、全てを残忍な方法で殺害。また、かつて騎兵隊が支配してい紋別の町では、彼の気分次第で人が殺され、女が連れさらわれたりしていた。

騎兵達がAIMに滅ぼされた後は、各地を彷徨いながら再起を図る為に行動。賊軍を結成して、名寄近辺を占領。紋別と同様の残酷な支配を確立する。

結夏に因縁があり、執拗に彼女のことを狙う。むしろ彼の行動の軸は、彼女を自分の物にすることに置かれている。



※六十五幕〜六十六幕で登場

・仁別 甚平 (にべつ じんべえ)

黒の系譜に選ばれた者の1人。

カニバリズムを率先して行い、雪山で焚き火をして遭難者を寄せ付け、殺害しては調理して食べる、という行為を繰り返している。

特に若い娘の肉を好んで食す。

リンに狂酔しており、彼女の興味を一心に浴びる蒼を殺そうと付け狙った。

紋別で蒼に敗れてから姿を消したが、古丹別の料亭で突如として姿を表し、革命団へ襲い掛かる。


※六十六幕〜六十八幕で登場

・魔獣三毛別 (まじゅうさんけべつ)

古丹別の町に突如として現れた、体長4mを超える巨大ヒグマ。

人々を残虐な方法で殺戮したり、町で破壊の限りを尽くすなど、世間を恐怖に陥れる。


※六十七幕から七十一幕で登場

・リン

全てが謎に満ちた存在。

圧倒的美貌を持ち、男女関わらず簡単に魅了してしまう恐ろしい人物。

人が苦しむ姿を見て快楽を覚えたり、罪悪感なく他人を傷つけるなど、非常に凶悪な性格。

灯恵のボーイフレンドである気流斗を射殺したり、和尚を残忍な方法で処刑した。

蒼に対して謎の予言を残し、蒼はその予言に苦しめられることになる。

黒の系譜の謎を知る人物でもあり、法王金友と繋がりがあるなど、社会の裏側にも精通している。

青の革命団の敵であることは間違いない。


※六十八幕と七十三幕で登場

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