文字数 701文字

「ハラハラする!、 馬って速いのね! 」
「おう、勝負は一瞬だからな? 」

「おい!、嘘だろ?見ろよ!この黒い馬なんか来てないか? 」

 実況中継の熱が上がり、声の音量も上がって聞こえる。
 興奮している様だ。
「テイオーサンダースが来た、アロリエット逃げきれるか、猛烈な追い上げを 見せる、なんとブルーオーシャンー!」

「今ゴール!、僅差です!僅差です」

「そうアナウンスが繰り返される」

「ねぇ、どうなったの? ねぇ? 」

「わっかんねーけど、お前の言った3頭が来たんだ! あとは順位次第で金が0なのか、え? いや、なんだこのオッズ!? 285万か? 嘘だろ! 」

 結果をかたずをのんで見守ることにした。
 その時間約4分だろうか。

『1位アロリエット
 2位 テイオーサンダース 
3位 ブルーオーシャン』
  の表示を見るなり、携帯を放り出し抱きつかれる。

「き、来やがった! ま、ま、茉莉花、100円が285万だぞ?」
「マジか、マジか、マジか! すげーぞ! もうおまえの事全部信じる」

 そう興奮した怜司が捲し立てて喋る。

「100円が285万にもなるの?」
 いまいち展開の速さについていけてない。

「こんなこと滅多にねーよ! すげーことだぞ? 」
 それでも、たった今285万儲けたけた事だけは理解できた。

「じゃあ、半分は私のものってことで」
 そうシッカリとアピールしてにやける。

「今日はもう豪遊、レストラン行くぞ、服着替えろ買ってやるから、祝杯な」

「典型的なダメな大人の世界にも感じるけど、さっそく面白い事が起こったね」

「うるせーよ、競馬くらい皆やるもんなんだよ、大人はな」

「ふーん」

 そう言って、二人は部屋を後にする。

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