第1話

文字数 242文字

「あの、僕、あなたのことが好きです…!」
ある夏の日の屋上。
肌を刺すような日照りの下、フェンスの内側でうずくまっていた私が顔を上げると、空に浮かんでいる太陽と同じくらい明るい雰囲気をまとった少年が、私を緊張した面持ちで見下ろしていた。
「僕と、付き合って下さい!」
手を差し出し頭を下げる少年を、私は黙って見上げる。
眩しい太陽の光が、透き通っている彼の体を抜けて降り注ぎ、思わず目を細めた。
へえ、真っ昼間から幽霊って出るんだ…。
妙なことに感心しながらも、私の返事は勝手に出ていた。
「…はい」
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