第2話

文字数 369文字

お昼になって自分の席で本を読みながら弁当を食べていると、数人の女子がやって来た。
名前は知らない。

「本橋さん」
私は本から目を上げた。
「ちょっと、話があるんや。昼休みに体育館の横に来て」
「何の話?」
「それはそん時に話すわ」
私はふと誰かの視線に気が付いた。
顔をそちらに向けるとボブカットの清楚な女の子がふふっと微笑んだ。

私はちょっと考えた。
港野ヨーコは卒業の時「二度と私の前に現れないでください」と泣きながら私に言った。
父親は土下座した。

私はちょっと残念だった。折角面白くなってきたところだったのに。そう言って笑ったらヨーコ父娘は青い顔をして逃げて行った。
人と関わるとトラブルも起きるが(それが原因で私は東京から引っ越して来たのだが)学ぶ所も多いと感じていた。これは私の成長の為に神様が与えてくれたチャンスなのだ。

 私はその子に微笑みを返した。
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