第1話 和丘遥佑

文字数 725文字

「あと少しで俺の人生が終わる。今まで生きた期間は58年11ヶ月23日と3時間。今ある現実が消えてしまうのだろうか。この病室にある物品を認識できなくなるのか。若い看護師を抱いてみたいと思うことももうないのか。そもそも死とはなんなんだ。生きている間に考えていることだろう。死んだ人間がわざわざ自分の現状を考えるか?いや、死体は考えたりするのか?医学書をいくつか読んだが死体は何をしているのか書いていない。死体がこういう状態だと生きてる側が考えているだけだ。怖い、いやそれも違う。死ぬことは怖いのか?誰が立証するんだ。死んだ人間がこうだと誰かに証明したのか?馬鹿げた考えだ。素直に死ねばいい。死んで見れば分かることだ。」和丘遥佑(かずおかゆうすけ)は、御瀧総合病院のICUのベッドの上で昏睡状態が続いていた。



56歳誕生日、遥佑は自慢の車に自慢の美女を乗せこれまた自慢の別荘へと車を走らせていた。
立ち上げた高齢者介護事業と障害者支援施設が全国展開した。
民間で2つの福祉事業を行う事は不可能だと周囲は反対した。
しかし、父親から受け継いだ建設会社を母体に次々と奇跡を起こしていった。
事業所内の作業を現場作業の一部を当て部品などの製造を受注しそれを高齢者や障害者に作業させることで、考えたり手や指のリハビリになるとして取り入れた。
使い物にならない商品は分解し簡易な建物の建築部品として再利用した。
介護職員、施設職員をシフトを組み建設現場に社員として雇用する。
男性は職人として、女性は事務員として雇用する事で低賃金と言われる福祉職員の給料を高い現場賃で補うことできた。
給料に対する不満を解消できた事が規模の拡大に繋がった。
民間で行うため、雇入れについて行政のメスは極力抑える事が出来た。
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