第4話憂鬱な昼休み
文字数 854文字
「香那ぁ〜一緒に食べようぜぇ〜っ!」
「あー、うん……食べよ、澪菜 」
午前の授業を終え、昼休みに突入した瞬間に昼食を二人で摂ろうというお誘いを声高々に上げる友人に返答する私。
私の隣の席の生徒は既に席を離れ教室には姿がない。
岸川澪菜 に席を奪われることに声を上げることもなく、譲っている多縁くんに申し訳なく思いながらも、彼の気遣いに甘んじている。
「あれー彼が居ないなー、まあいっか……」
澪菜が白々しく発しながら、私の側まで歩み寄ってきて多縁くんの席の机を私の机にくっつけドカッと腰を下ろす。
彼女が椅子に腰を下ろすと同時に教室の壁に取り付けられたスピーカーから軽快なテンポの曲が流れ始める。
曲が終わると快活な声が聴き慣れたタイトルコールを高らかに続けた。
『やな高レディオー、本日も始まりましたっ!——ということで本日一曲目に参りましょ〜ラジオネーム、メープルさんからのリクエスト曲で——』
放送委員である男子生徒のラジオDJさまさまな曲紹介後にリクエスト曲が掛かる。
「恋愛ソングだねぇ〜今日は。あの娘は彼氏と食べてんだね〜」
ニマニマと緩んだ頬で現実を突き付けてくる澪菜。
「んーだねぇ。ってアヤを出さないでよ、わざわざさ」
今頃恋人とイチャイチャしながら昼食を摂っている彩乃を話題に上げる彼女に、露骨に嫌な表情を浮かべた私。
「ははっ、恋人 をささっと作んないからそうなんのよ。言われない?部員らにさ」
「言われてるよ、からかわれてるっ!他人 のこと笑ってるけど、澪菜だってフリーじゃん」
不貞腐れヤケクソに白状して、彼女に矛先を向ける。
「ホントっわっかりやすいよね〜香那ってさ〜」
「うっさいなーっもうッッ!」
「ぷぶふっ!……っくぅ、くくっうぅ〜」
両手で腹を抱え笑い出した彼女。
彼女のさらさらとしたウルフカットの茶髪が慌ただしく揺れる。
羨ましいサイズに育った胸も揺れていた。
里いもを口内に放り込み咀嚼していた彼女が。
昼休みが終了する十分前の予鈴が鳴り出すまで校内放送は続いた。
澪菜と昼食を共にするのは決まって恋愛ソングの特集の曜日だ。
「あー、うん……食べよ、
午前の授業を終え、昼休みに突入した瞬間に昼食を二人で摂ろうというお誘いを声高々に上げる友人に返答する私。
私の隣の席の生徒は既に席を離れ教室には姿がない。
「あれー彼が居ないなー、まあいっか……」
澪菜が白々しく発しながら、私の側まで歩み寄ってきて多縁くんの席の机を私の机にくっつけドカッと腰を下ろす。
彼女が椅子に腰を下ろすと同時に教室の壁に取り付けられたスピーカーから軽快なテンポの曲が流れ始める。
曲が終わると快活な声が聴き慣れたタイトルコールを高らかに続けた。
『やな高レディオー、本日も始まりましたっ!——ということで本日一曲目に参りましょ〜ラジオネーム、メープルさんからのリクエスト曲で——』
放送委員である男子生徒のラジオDJさまさまな曲紹介後にリクエスト曲が掛かる。
「恋愛ソングだねぇ〜今日は。あの娘は彼氏と食べてんだね〜」
ニマニマと緩んだ頬で現実を突き付けてくる澪菜。
「んーだねぇ。ってアヤを出さないでよ、わざわざさ」
今頃恋人とイチャイチャしながら昼食を摂っている彩乃を話題に上げる彼女に、露骨に嫌な表情を浮かべた私。
「ははっ、
「言われてるよ、からかわれてるっ!
不貞腐れヤケクソに白状して、彼女に矛先を向ける。
「ホントっわっかりやすいよね〜香那ってさ〜」
「うっさいなーっもうッッ!」
「ぷぶふっ!……っくぅ、くくっうぅ〜」
両手で腹を抱え笑い出した彼女。
彼女のさらさらとしたウルフカットの茶髪が慌ただしく揺れる。
羨ましいサイズに育った胸も揺れていた。
里いもを口内に放り込み咀嚼していた彼女が。
昼休みが終了する十分前の予鈴が鳴り出すまで校内放送は続いた。
澪菜と昼食を共にするのは決まって恋愛ソングの特集の曜日だ。