第4話  病気と頑張るの境目

文字数 1,082文字

 線維筋痛症のやっかいな性質として、精神的負担が症状に現れやすい、と言う面がある。ここが、仮病とかうつ病とか呼ばれやすい所以なのですが。
 メカニズムは全くわかっていないものの、最新の研究で、神経伝達を司る脳内信号の異常なのでは、という説が出ているらしい。だとしたら神経系に異常が出ると思うんだけど。私は神経にビビビと電気を流す検査をしましたが異常なかったので、あんまり信じてない。

 で、精神的負担が症状に出るのは、本当に本当です。私が発症したのは、そもそも社長の怒号が行き交い、毎月人が辞めていく超絶ブラック企業にいたときでした。つい先日やめた企業でも、大企業ならではのネチネチがあってストレス過多になり、仕事中もしょっちゅう意識喪失してました。最終的に起き上がれなくなって辞めました。あと生理中も分かりやすく体調悪化します。
 これは主治医の先生も同じ認識で、上記のストレス過多な状況を見かねて「仕事なんて辞めちゃいましょ!」とおっしゃってくださり、辞める決意ができました。実際、辞めてから毎日好きなことして、ぐうすか寝るようになってからは、すこぶる元気。脚は相変わらずふにゃふにゃですが、朝晩ストレッチしたり、家事もこなせるようになってきました。

 つまりですね、線維筋痛症ってストレス耐性というものが皆無になるんです。いや、耐えれる人も居ますけど、健康ではいられないってことです。
 残念ながら、現代社会で人間の生活というものはストレス前提のつくりをしています。頑張らないとお金稼げない。けど頑張りすぎるとストレスで動けない、線維筋痛症。好きなことに対しても、例えばプロとしてお金を稼ぐ存在になったとして、病気と両立できるのか、全くわかりません。多分、無理解な環境では厳しいでしょう。
 こう話すと、「病気なんかで諦めるくらいしかやる気ないんですね」と思われたりするんですが、そう言う話じゃないんですよね。会社でいえば、営業としてバリバリ成果を上げて、出世を目指していた人が、突如一切の外出と残業ができなくなるイメージです。枷なんです。本人の意思と反して、動かなくなる制限がかかります。だから、倒れるまでやってみよう、とかできなくて。

 私は今、「ここまでなら頑張れる」と「ここからはヤバい」の境目を探りながら過ごしています。できるなら、「ここまでなら頑張れる」をMAX状態として生き残る方法を見つけたい。それしか手段がありません。
 もっともっと本当は頑張れるし、本気になる方法も知ってる。だけどそれが出来ないから、歯痒いです。やる気ないと思われるのが、一番辛いです。
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