現場023 英一蝶を安房へ逃がせ、浜屋敷の船着場

文字数 486文字



「狩野岑信」の第十三章で、内藤家から協力要請のあった英一蝶の江戸脱出計画。時の将軍を小馬鹿にした風刺画を描き奉行所に追われる町絵師・英一蝶を船で安房に逃がしたい、というもの。

 その船の出発地点として期待されたのが、江戸湾に面した甲府浜屋敷の船着場。

 写真は、現代の浜離宮恩賜庭園内に残る船着場跡(東京都中央区、2022.4.24撮影)。これは将軍家の浜御殿になってからのものですが、綱重・綱豊時代にも、浜屋敷から船を出して江戸湾で舟遊びをしたとの記録があるので、やはり同様の施設があったと思われます。

 江戸時代、写真の奥に見える鉄橋や月島・晴海方面の埋め立て地はありませんでした。もっと広々と江戸湾を見渡せたことでしょう。
 ただ、逆に、浮世絵などでは、江戸湾一帯に大小の船が浮かび、今よりごちゃごちゃした風景に見える描写も。江戸湾は良好な漁場であるだけでなく、海上交通も盛んでした。そのためもあってか、浜御殿の船着場の横には立派な灯台が立っていたのです。

 さて、英一蝶を迎えに出た吉之助と竜之進。無事に浜屋敷まで連れてくることが出来るでしょうか。この後の展開をお楽しみに。
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