現場032 不忍池の向こうは火の海、勅額火事の現場

文字数 319文字



「狩野岑信」の第三十一章では、浜屋敷に帰還した吉之助が間部に報告する形で勅額火事の様子が語られました。

 写真は、上野公園の清水観音堂の手前から不忍池を見下ろした景色(東京都台東区、2023.11.8撮影)。

 寛永寺に到着した吉之助と竜之進は、すでに消火活動にかかっている各家に対し、主君の到着を伝えて歩きながら、この高台から火事の様子を見ます。
 江戸時代には視界を遮る雑木林も高い建物もありません。かなり遠くまで見通せたことでしょう。そして、迫り来る火の勢いに恐怖したはずです。

 ちなみに、歌川広重の「名所江戸百景」には、もう少し後ろからの視点で、清水観音堂と不忍池を一画面に収めた作品があります。季節は春、桜満開の風景が描かれています。
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