尋常性ざ瘡

文字数 580文字

肌荒れ体質に生まれた時点で人生は終わり

医学知識に基づいて栄養摂取は完全
菓子はバイ菌
洗顔三回朝昼晩
過度なストレスは溜め込まず解消する
これでも猫を愛でるように労っているつもり
何時に寝ようと何時間寝ようと赤は赤のまま
何を塗ろうとも荒れるか塗らないに同じ
何も塗らなければ運動すれば蕁麻疹が来る
こんな穢れた肌必要以上に触れるわけがない
どのコンシーラーもファンデーションも隠しきれない
お絵描きクレヨンと変わらない
どれだけの金と研究時間をつぎ込んできたか知れない
他人事だからと皮膚科はろくな仕事をしない
詐欺とおぼしき機関はやはり詐欺だった
医療技術など所詮そんなもの
何百万使ったって消えやしない
根気よく粘ったって無駄遣いに終わる
無い穴はたいて稼いだ金は無情にも吸い込まれた
かれこれ数年もいやがる
このクソ肌はもうダメ
しかし移植など受け付けない
そこらの精神疾患より十分心を蝕んでくれる
鏡は全て叩き割った
周りが気にしなくとも私が気にしている
一生外に出たくない
一生誰とも会いたくない
人の何倍も気を使っているのに
一体何がいけないというのか

たかがニキビだのそのうち治るだの吐けて羨ましい
ロボットになりたい
一つの悩みすらないペッパーくんになりたい
踏み込んだこともないくせに
何十度何百度自殺企図した程度で偉そうにするな
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
私はまたも自殺する
次はちゃんと死ね
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