第4話

文字数 833文字

 あの男の働いている会社の前に待ち伏せする。奴は、残業をしているようで、21時を過ぎても会社から出てこない。目の前に警官が通り過ぎる。今職質されると非常に困る。なるべく警官の方を見ずに、スマホを見てやり過ごす。心拍数が上がり、挙動不審になっていないか心配になったが、そのまま通り過ぎた。警官が過ぎてから10分ほどして、奴は会社から出てきた。そのまま、駅に向かい帰路に着くようだ。バレないように後ろから近づいて、家まで着いていくつもりだ。奴は、全く警戒をしておらず、すんなり家を特定できた。私は心の準備をするために、30分ほど近くの公園で煙草を吸った。
 覚悟を決め、奴らが住んでいる家に向かう。
赤いカッターナイフを鳴らし、チャイムを鳴らす。「隣に越してきたものですが、挨拶で伺いました」とインターホン越しで伝えると、女の声で「ご丁寧にありがとうございます。少々お待ちいただけますか」と告げられる。1分ほど経って、女が出てくる。すかさず私は、女の首めがけて、カッターナイフを突き立てる。ヴッと女は悲鳴をあげ、倒れた。何が起きたのかわからないようだ。私は次に女の膨れた腹めがけ、カッターナイフを何度も突き立てた。女は声を掠らせながら「やめて、やめて」と懇願した。そうこうするうちに風呂場から目的の男が全裸で出てきた。男の顔面は真っ青になり悲鳴を上げる。私は、姉がどんだけ苦しんだかを男に訴えたが、男は蹲るばかりで謝罪することはなかった。女と同様、首にカッターナイフを突き立てたが、うまく刺さらなかった。台所に向かい、包丁を持ってきてもう一度首に包丁を突き立て、その後全身に包丁を突き刺した。
あたりは血まみれで、男と女が倒れていた。正確には、女の中に子供がいるから3人だ。私は、血のついた服を脱ぎ、シャワーを浴びて、この家の中にある服を適当に着て、うちに帰った。姉の安堵と喜びに満ちた表情を想像しながら帰った。やっとあの不幸な出来事が忘れるのだから、全てを一緒にやり直せる。
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