第2話

文字数 1,389文字

「……」

大輝は目を覚まし身体を起こした。

大輝は周辺を見つめ貴介がいないことを確認するとソファーから立ち上がり制服とズボンを着始めた。

そして大輝はリビングを離れ玄関に向かった。

「送ろうか?」

貴介が声をかけた。

大輝は背を向けたまま口を開いた。

「貴介さんにされたこと忘れます」

「……」

「兄貴と何があったか知りませんが復讐するなら兄貴にしてください、さよなら」

靴を履き大輝は背を向けたまま家を出ていった。

その頃、大輝の家の前では雄太が待っていた。

「……」

「雄太君じゃないか」

「どうも」

大輝の父親に声をかけられ雄太はお辞儀をした。

「大輝と喧嘩でもしたのか、入りなさい」

大輝の父親は雄太を家の中に入れリビングに連れていった。

「おかえりなさい…あら、雄太君」

大輝の母親が声をかけた。

雄太は大輝の母親に問いかけた。

「おばさん、大輝、帰ってないですよね」

「まだ帰ってないわね、一緒じゃなかったの」

「……」

「着替えてくる」

大輝の父親がその場を離れると大輝の母親が口を開いた。

「大輝と喧嘩でもしたの?」

「おばさん、帰ります」

雄太が大輝の母親に背を向けリビングを出ようとしたその時、大輝が現れ大輝と雄太は見つめ合った。

「雄太!」

「大輝、話があるんだ」

「良いよ」

大輝がリビングを離れると雄太もリビングを離れ大輝の部屋に向かった。

大輝はドアを閉め口を開いた。

「話って何?」

大輝はベッドに近づき制服とズボンを脱ぎ私服に着替え始めた。

「真紀が言ってたんだけど、大輝は転入生に惚れてるって」

「……」

「本当なのか?」

背を向けている大輝を雄太は見つめた。

「……」

大輝は背を向けたまま黙り込んだ。

雄太が口を開いた。

「反論しないってことは図星なんだな」

「雄太」

大輝は振り返り雄太を見つめ口を開いた。

「転入生の大野貴介君に唇と身体を奪われた」

「え…」

「雄太、別れよう」

「本気で言ってるのか?」

「本気だよ…雄太、帰って」

大輝は雄太に背を向けた。

雄太は背後から大輝を抱きしめた。

「雄太…」

「大輝、俺は別れない」

「俺は」

「それでも俺はお前と別れない」

雄太は大輝から離れ部屋を出ていった。

大輝はベッドに座り悲しげな顔でうつ向いた。

ー大輝の兄、健太の家の前ー

貴介はインターホンを鳴らした。

ドアが開き健太が現れた。

「貴介!」

「久しぶりだな、健太」

「よく、俺の家がわかったな」

「弟さんのことで話があるんだけど今、良いかな」

「あぁ」

貴介を中に入れドアを閉めると健太は貴介を連れてリビングに向かった。

健太はソファーに座り口を開いた。

「大輝のことで話があるって何だ」

「大輝君って恋人いるの?」

「大輝の同級生で成瀬雄太っていう生徒がいるんだその生徒が大輝の恋人だ」

「もしかしてあの男子生徒が」

「それより貴介、何で大輝のこと知ってんだよ」

「……」

貴介は健太の側に座り口を開いた。

「お前に復讐するためにお前のことを調べて弟の大輝君を知った」

「俺に復讐?」

「健太、お前は俺の心と身体を奪った、そのせいで俺は他の同級生に身体を求められむりやり奪われた」

貴介の目に涙が流れ健太は優しく貴介を抱きしめ口を開いた。

「お前が他の同級生に身体を求められ奪われてたなんて知らなかった、ゴメン…貴介、ゴメンな」

「……」

「……」

健太と貴介は見つめ合い健太は貴介の涙を手で拭いその後、優しく唇を重ねた。

その後、貴介はリビングのソファーで健太の行為を受け入れ身体を重ねた。
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