第8話 広場

文字数 701文字

 高速道路の高い橋
 すぎる車の排気ガス
 だけどわたしは知っている
 ここはちがった あのころは

 春の光に誘われて
 顔を出してたつくしたち
 しろつめくさの花かんむり
 つくって遊んだこともある

 夏の広場にのびた草
 草のむこうは子どもの世界
 たまに草刈り来たけれど
 まだすぐできた ジャングルが

 夕日の赤い光の中で
 オナモミなげて遊んでた
 何度もつくって遊んだね
 みんなの小さな秘密基地

 こがらしの中 走ったね
 かれ草踏んで凧をあげ
 空にのぼった凧を見て
 喜びあげた笑い声

 金属製の高い塀
 広場の中に入れない
 塀のむこうにあるものは
 きっとトラック ショベルカー

 塀がとられて広場が見えた
 だけど前とはちがってる
 そうだわたしも知っている
 ここはもうすぐ道になる





※自分の最も古い創作ノートの一番古い詩だったので、出して見ようかと。
 ノートの始まりの年代は、高校生の頃ですが、それ以前に別のメモのようなものに書いていた記憶があるので、小学校高学年~中学生くらいの作品だと思います。
 制作当時には、もう空き地に入って遊ぶことはできない状態になっていたはずです。

 昔住んでいた家のすぐそばに、広大な空き地がありました。
 そこは、高速道路の予定地だったのですが、何年もあまり変わらないまま、空き地として遊ぶことができました。かなり古い思い出では、松林もあった。
 その松林は、あるとき、塀が建てられ、塀が外されたあとは(こういうことが、何度かあって、急に遊べなくなったわけではない)、たった一本を残して、すべてなくなっていたと思います。

その一本松も、やがてなくなりました。

 今はもう、立派な高速道路となっている場所です。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み