検閲資料NO_0001

文字数 3,667文字

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サンクチュアリ
我々が住まう大地の名である。
聖域(サンクチュアリ)の名の通り神秘と空想が息づき跋扈する世界であり、人間界の神秘との決別によって忘れ去られる運命にある幻想種たちが流れ着くとされる先と呼ばれている。現時点で七つの文明圏が存在しており、(勿論増えることも減ることもある)それらは総じて領域と呼ばれている。
それぞれがそれぞれの「世界観」を保有している為、文化や言語、禁忌等は領域ごとに異なる。
かつては侵攻や戦争が頻発していたが現在は最高神の同盟、円卓が組まれたことによって均衡、束の間の平和状態となっている。

領域
サンクチュアリにおける国家であり、その地を治める最高神の支配圏内、影響下でもある。領域から領域への行来には端境に設けられた関門にて通行許可を得る必要(※入域を禁じている領域も存在する)があり、無断での侵入と通行はそれ即ち死を意味する。
以下、現時点で存在する領域の判明している情報を可能な限り記す。

◇霊国リュドミラ
 



サンクチュアリ西部に存在する領域。
最高神は破壊神ガハムレト。
霊国という名が示す通り「生」そのものが存在しない国。
ガハムレト以外の民、騎士、生物全てが生ける屍、尸屍(リビングデッド)と化している状態だがこれは◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆同盟領域ニルドラズマの◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆、◆◆◆◆◆◆◆と◆◆◆◆◆をガハムレトが◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆が故とされている。水の都と称される程美しい国だったが前述の今は亡きニルドラズマの◆◆、ガハムレトの破壊神への反転といった理由により現在は死の蔓延る荒廃した国といった様相と化した。殺傷性のある魔霧(頑強ランク3以下で体調不良を引き起こす、ランク2以下で最悪死に至る)が常に立ち込めている為基本立ち入りが禁じられている。


◇教国ユグ・ルフ



サンクチュアリ北東に存在する国。浮遊する魔術大国。
最高神は魔導神ルクスワール。
生活のほぼ全てを魔術や魔力で賄うのが当たり前の文化を持つ。魔術を究めんとする魔術師(ソーサリアン)にとって憧れの国でもある一方、魔力を持たぬもの、魔術の才が乏しいものに対して過酷な領域でもある。しかし近年は種族性別年齢魔力量質関係なく入学可能なスクール、キャンパスの設立や様々な魔道具の開発、簡素な魔術が結晶単体で行使できる封術結晶(ノーレッジジェム)の流通などにより少しづつ変わり始めているとのこと。最高神であるルクスワールは隣国エクスレイの最高神、セルレシアの元眷属であり、彼(?)曰くユグ・ルフはある意味エクスレイの派生国家のようなものでもあったりするとのこと(エクスレイ側は否定している)。


◇凍国エクスレイ



サンクチュアリ最北に存在する領域。
サンクチュアリ唯一、人間が政を指揮し統治している領域である。
最高神は死神エルゼフィルだったが、ある時自死し人間に統治権を譲渡したとされている。
霊峰エストア、永久凍土の大地イルスレルム、水晶洞ヤムといった自然要塞が点在する過酷な領域であり自然災害も高い頻度で発生する領域。災害に関してはエルゼフィルの死により加護が失われたがゆえと言われたりもするがあくまで想像の域を出ない。中央にある王国カトラスの他にも小さな村やそれなりに大きい街などもあり、強大な自然と共存しつつも人間たちは独自の営みを過ごしている。エルゼフィルの遺言により領域に属する神々は人間の暮らしに介入することなく、手助けすることもなく、ただ監視するだけに留まっている模様。

◇煉国ノウアスラ



サンクチュアリ南部に存在する領域。
最高神は裁定神エスティマ。
信仰を尊び重んじる宗教国家。入域可能な領域の中では此処が一番閉鎖的で苛烈であり余所者、(彼ら基準の)罪人を毛嫌いする傾向にある。
エクスレイとはまた別の過酷な環境、通称「堕界」を有しており、それらは罪人や咎人の檻、浄化のための試練場として扱われている。堕界は寂熱の檻(アシャシュタ)昏迷の檻(ウルナハフ)刑剣の檻(アムタート)思死の檻(ハルタート)廃輝の檻(シャクスラ)の計五つ。
その劣悪な環境、厳格な教えのもとで育まれたが故かみな心身共に屈強であり、兵の士気と質はサンクチュアリいちではないかと私は考える(※あくまで私の予想である)。


◇煌国ザナドゥ



サンクチュアリ中央に存在する領域。
最高神はヲファル。
サンクチュアリ最古の歴史を持つ領域であり最高神たちの円卓があるのも此処。オーパーツとサイバー技術、機械と神秘、古代的と近代的。一見相容れなそうな矛盾が共存する最先端国家。


◇永国明刹霊郷



サンクチュアリ東に存在する領域。 
最高神は蒼瓏瞑月(そうろうめいげつ)
他の領域とは大きくかけ離れた、独自の文明と美的感覚を保有する国家。
かつては◆◆◆◆◆◆、赫焔天暁(かくえんてんしょう)による◆◆◆◆であり、彼女の◆◆◆◆で◆◆◆◆、◆◆◆◆等が繰り広げられていたが、◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆、長い間土地は荒れ民草は貧困と混乱により暴動を起こし…と問題だらけではあったが最近になってようやく他領域と国交が出来るまでに回復した、とのこと。

◇儚国◆◆◆◆◆◆
[検閲済み][検閲済み][検閲済み]


外殻



サンクチュアリにおいて領域に属さない部分、誰のものでもない土地のこと。
外殻へ出ることに誰かの許可は必要無いが領域が神の視界内であるなら外殻はその死角、視界の外とも呼べる為、身の安全は一切保証されない。
領域内に生息するものとは桁違いの強さを持つ幻創種たちに舗装も整備もされないままの大地と、生きることすらままならなそうな環境だが噂によればそこに住まう世捨て人(ものずき)も少なからずいる、らしい(信じられないが)。

始素

使



この地には始素というエネルギーが存在する。
赫熱()収縮()振動()金剛()衝撃()激流()屈折()断絶()。8つあることから八源始素、超常的な現象に用いられることから霊幻属性と呼ばれることもある。
これら属性は相生しあうと同時に互いに相剋する、優劣のある関係性でもある。焔は氷を溶かし、氷は風を封じ込め、風は土を裂き、土は雷を吸収し、雷は水を震わせ、水は焔を消す、というように。
これら始素が集合体になったものを現象体(ファクシ)、結晶化したものを晶石(ジェム)と呼ぶ。

現契属性



武器の持つ性質のことを指す。霊幻属性(始素)と異なり何物にも左右されない、現実(けっか)に固定された属性である。
切断、貫通、破損の3種類。



幻創種



聖域に古来から在る強大な原初の生命体。神や魔獣、精霊たちを指し示す幻想種とは似て非なるもの。記憶現象体とも呼ばれる。
人の無念が形を取ったモノからある出来事が具現化されたモノ等個体によって風貌、能力、危険度や発生理由は様々だが、土地から、というよりは記憶や記録から生れ出づるという特性は共通している。何を目的として活動しているのか、何を糧として生を繋いでいるのか、そもそも何故発生するのか────等々不明な点が多く、聖域内でも一つのブラックボックスのようなものとして扱われている。
分類は4つ。
人や物のトラウマから産まれ落ちた壊忌体(フォビア)
災害の記憶から生じる厄災体(アポカリプト)
物質から発生する具現体(ツール)
死や流血の記録から創造される恐死体(マカブル)
ちなみに、元より凶悪な上位存在として認知されている幻創種は通常の敵性体に付与される危険度ランクより更に6段階上引き伸ばされた階級が用意されている。
((エルカバ)(ガムブ)(ハナル)(エドナクル)(バルビエル)(イズリル)(ハマーリエ)(ウェルケー)(ムリール)(アンブラル)拾壱(アスモデル)拾弐(マルキディール))
 一番弱いとされている幻創種でも危険度レベル4と認定されているため、戦闘にはランク6、対面だけでもランク5以上の戦闘スキルライセンス保持が必要になる。



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登場人物紹介

シェリスハルツ

エクスレイの最高神であったエルゼフィルそのひと。通称シェルツ。

しかし最高神であったことを良い出来事として捉えていないためあまり触れたがらない。

元々偏屈で気難しい気質だったが過去の出来事によって更に皮肉度が増しており自分に対しても他人に対してもシニカル。今作の主人公。

ヴェルヘゼン

穏やかで心優しい、年若い死神。自由奔放な兄と臆病な姉がいる。

死神ながらも戦うことや殺すことを好いておらずそのことで何かと悩みがち。

血を見ることも苦手なため戦わずして済むならなるべくそうしたいと考える平和主義者だが戦い全てを忌避しているわけではなく、(死神としての教示や心構えはあるので)理由や必要が存在するのであれば向き合わなければならないモノ、と捉えている。

ユースティア

厳密には神ではなく型落ちの神霊(物の念から、或いは物質そのものから発生した生命)。長年使われていたとある聖剣の念もとい揺らぎから生じた。どの国にも属していなかったものの、エクスレイの神々からその実力を見込まれ傭兵としてスカウトされた。

どんな物事にも真剣、全力で取り組む質実剛健を形にしたような性格。

トルストイ

エルゼフィルから「遺骸」を託された「極光の五柱」のうちのひとり。

あらゆる治療魔術を修めた最高位の施療術師(シルフィキア)に贈られる『白の賢者(ヌア・ルフ)』の称号を持つ医神。しかし傷を癒やし光輝を用いて闇を祓う施療術師のイメージとは裏腹に言動はかなり不真面目であり、周囲の反感を買いがち。

ローレッタ

エルゼフィルから「魔剣」を託された「極光の五柱」のひとり。今作においてツァイト率いる反乱軍の目論見を阻止する為に結成された鎮圧部隊の創設者であり頭目である。

機械のような、或いは人形のような黒の肢体を持つ天真爛漫で素直な少女、といった風の伝令神。

アガナスティ

エルゼフィルから「魔槍」を託された「極光の五柱」のうちのひとり。

魔術を扱えなかったことから「異端」と扱われるもののその武芸は誰にも引けを取らなかったとされている。

エルゼフィル亡き後魔槍を預かったままふらりと姿を消し音信不通となっている。

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