第1話 桜の散る頃…

文字数 353文字

誰にだって咲いて散る時がある。

見える美しさ、見えない美しさもある。

「君が手に持つ散った桜は何に使うの?」

疑問に思い見知らぬ君に言った

「散ったら花じゃないの?」

君の言葉は心に響いた。

僕は言葉も出なかった

”あなたは僕に微笑んだ”

別の日あの場所に君がいると思い

自然に体がその方向に歩き出す

桜で地面が埋め尽くされ

君は体を横にして目を閉じている

そんな僕は君の頬に触れたその手に

君も触れた時に不意に言った

「散った桜は花じゃないの?」同じ言葉を言った

僕は思うまま言った

「まだ生きてる、その花は生きる美しさ、散る美しさを教えてくれた」

柄にもない言葉を言った。

君は体を起こして僕に微笑んで言った

「それがあなたが思う「美」なのね…」

言葉を残し何処かに去っていった…

後日、君を見る事は無かった…

僕は勝手ながらあの桜は君だと思った
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