はしがき

　本編は次からで、つまりこれは「この物語はフィクションです」という前書きです。

「青年が西洋モティーフの異世界に転生する話」を描いたものです。皆様が物語を読み、図書館で「哲学・宗教」や「社会科学」の棚をご覧になれば、西洋から拝借した面について、皆様は、ご自身のワードローブから今日の服を見つけるように容易くモティーフを見つけるでしょう。

　神話や宗教、そして魔法さえ、辿れば西洋を発見するはずです。

　明言しなければならないのは、私は決して「特定の文化を、否定も推奨もしない」ということです。誓って、サイト様のガイドラインや、前提の社会倫理について、タブーを犯そう、なぞ考えていないのです。
　しかしこんなはしがきを残しながら、物語には西洋を反映した、異世界の「文化の場面」がわんさと描かれます。揺り籠から墓場まで。架空の異世界の、架空の思想に基づいて。ですから皆様は、異世界の営みを、西洋の面影を、良く書いた空気感・悪く書いた空気感、両方の文体でご覧になることでしょう。
　しかし、当然、異世界＝モティーフの世界、ではありません。

　この物語の営為が「現実そのもの」ではありません。架空の世界の物語は、決して、現実に適用されるものではないのです。

　これはファンタジーで、フィクションな物語。異世界の出来事についての話です。