後輩女子は先輩男子に二股をかけられるが……

文字数 742文字

「先輩っ、どういうことですか!?」

「はあ?」

「だって、わたし以外にもつきあってる人がいたなんて……」

「バカなの? そんなんオレの勝手じゃん?」

「そんな、ひどすぎる……!」

「うっせーなあ、こっちこそ、てめえみてえなオンナとつきあってやったんだぜ? 何が不満なの?」

「……」

「だいたいおまえ、鏡とか見たことある? それ確認してから彼氏とか作ったら?」

「……ひ、ひどい……」

「は、泣けばいいと思って。チョーうざいんですけど?」

「うわーん!」

「ま、オレとつきあうだけの価値のある人間にでも生まれ変わるんだな」

「うう……」

「じゃ、バーイ」

「待て待ていっ!」

「な、なんだよオッサン」

「われこそは名奉行(めいぶぎょう)王岡一善守正助(おおおかいちぜんのかみただすけ)である!」

「な、なに言ってんの? 頭大丈夫かよ?」

「女子をもてあそぶ男のクズめ! このわしがしかるべき裁きを下してくれる!」

「ああ、なに? うざいんですけど?」

「問答無用! 食らえ! 王岡裁き・マタタビの(けい)じゃあっ!」

「ぎゃおーっ!」

「せ、先輩!」

「ああ、これは……オレが、ネコに……うわーっ!」

「ああ、なんてこと! 先輩がネコになってしまったわ!」

「にゃーお!」

「ふとどき者め、これからはネコとして生きるがいい!」

「お奉行さま! ありがとうございます!」

「そなたも今後は、悪い男に気をつけるのじゃぞ」

「はい!」

「これにて一件落着!」

「なんて、素敵な方……」

(終)


エンディング・テーマ「名奉行・王岡一善」(作詞:朽木桜斎)

人生なんてクソくらえ
リア充なんて死ねばいい
ムカつくヤツらに鉄槌を
誰が下してくれるのか
それはその名も名奉行
王岡一善しかおるまい
天下に名だたる裁きにて
勝ち組どもに粛清を
転がるバカを笑いたい (※)
心の底から笑いたい
ああ名奉行名奉行
王岡一善ここにあり

(※)繰り返し
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