パンツ泥棒

文字数 274文字

 パーティーから帰ろうとして、服を着ようとすると、パンツがない。しかたなくズボンをじかにはく。
 あとから聞いた話だと、他の人たちもパンツを盗まれたそうだ。みんなパンツなしで帰ったらしい。
 パーティーの常連である品妍(ビンイェン)の家に行ったとき、白湯が出てきた。ちょっと塩味がして、どことなくおしっこ臭い。そっと台所をのぞくと、品妍が大鍋の中の湯をおたまでゆっくりとかき混ぜている。近づいてみると、大鍋の中には女モノの、白にピンクの小さなリボン飾りのついたパンツが、ミズクラゲのように揺蕩(たゆた)っている。
「そう。パンツ泥棒は私なの」
 品妍はそう言ってにっこりと笑った。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み