3、人を笑わせるということ
文字数 6,333文字
22日の座談会のメイン会場もこちらになります。
朝10時からスタートです。
開始時間までにもご質問の書き込みは大丈夫です。
また、時折10時前に質問に回答することもあります。よろしくお願い致します。
2日目お疲れさまです!清水です。
八鷺先生の描かれる絵についての質問です。
八鷺先生の描かれる絵はデフォルメがとてもうまく、かつキャラが表情豊かでおしゃれだなと思うんですが、絵に関しては最初からこういうタッチで描かれていたんでしょうか?
作風に合わせて絵柄も調整しているんでしょうか?
また3日目にお答えいただければと思います〜!
質問に答えていただきありがとうございます!
ギャグのパターンがその作品の武器でもあり、パターンさえ作ってしまえば色んなネタに応用できるというわけですね。
さらにキャラクターものにしてしまえばリアクションで笑いを取れる、そのキャラクターだからこそ成立するギャグもあると。
ギャグのネタ出し方程式も奥が深いです。
『俺のアヤカ』の場合はノロケ話がテーマですが、すごくしょうもないことでも幸せなリアクションに変えてしまう過程が面白いだけでなく、かわいいなぁとホッコリする感情がプラスになってますよね。
ただの自慢話にならないようにするというのはこういうことなんだと思いました。
これからもあったかくて笑っちゃう展開に期待してます!
清水先生、再びご質問ありがとうございます!
> 絵に関しては最初からこういうタッチで描かれていたんでしょうか? 作風に合わせて絵柄も調整しているんでしょうか?
絵柄に関してはあまり意識していませんでした。元々こだわりがなく、すぐ人に影響されてしまうのでグイグイ変わってしまいます。なので最初のタッチとかも思い出しにくく…。単純に漫画を描いている総量が少なかったので、絵柄が安定しないというのが大きいかもしれません。
絵柄って作風やジャンルをパッケージ化してくれるものなので、その点で不安定だったり、ちゃんと作っていなかったのはマイナスだなぁと思っています。
碧るいじさん、ご返信ありがとうございます!
> ギャグのパターンがその作品の武器でもあり、パターンさえ作ってしまえば色んなネタに応用できるというわけですね。
ギャグの成立条件に「分かりやすいこと」があると思うんですが、パターンが作れると多少複雑なネタでも繰り返すことで理解してもらいやすくなるので、そのあたりがキャラクターでギャグやコメディをやる強みの一つになるのかなとも思っています。リアクションも大事ですね!
これからの展開も頑張ります~~!
八鷺先生。最終日もよろしくお願いいたします。
ゲストの、チョイス、本当に、間違ってませんか?? 大丈夫ですか???
さて、前のエピソードでネタとキャラクターのバランスのお話をされてきたわけですけども、質問のなかでも少しありましたが、八鷺先生のネタ出しの仕方ってどういうものがあるんでしょうか?
お笑いは奇数回やる、って芸人さんも言ってましたので…
『俺のアヤカ』のネタ出しは、あれは会話劇なので完全にテキストベースですね。最初のころは先に4コマ一本作って、主軸のネタを決めたあとに、それを会話で補足していく…という形だったんですが、ちょっと手間になってきて。
今ではもっとスリムアップして、手元の紙にネタになりそうな出来事や決め台詞を描いて、それをストーリーエディターで一気に打ち込んで、もうネームの形にしていきます。
でもこれってやっぱりネタ重視の作り方なんですよね。むしろキャラクターをどう活き活きと動かすかの方が大事だなってどこかで気付きまして、そこからセリフ重視になっていったのかもしれません。
「どう勘違いするか」「どう褒めるか」とかもそうですが、頭のなかでキャラクターが動く中で、いいセリフが出てくるかどうか、みたいな方にシフトしていった気がします。今もそうなんですが、ネタの方に凝りすぎると、キャラクターに本来やるべきでないようなセリフや行動をさせてしまうケースが出てきたので。
絵柄は今後も進化するということですね。
でも「俺のアヤカ~」は主役の2人の服装とか髪型とか、ほんとに郊外のコンビニにいるカップルっぽい~しかもかわいい~!と毎回見ております!
今後も毎回2人を見るのを楽しみにしております~!
実際、ギャグのネタとは少し違いますが、ストーリー漫画を描く際に、キャラクターをはっきりさせておかないと、物語の展開に都合のいい動きをさせてしまってりしますよね。
そのあたりは悩みどころですよね。
キャラクターとちゃんと向き合う、っていうの本当に大事ですよね…。この点、担当さんにもツッコまれたことがあります。まだうまく出来てない気がする…。
さて、そういう感じでネタ出しされている八鷺先生ですが、『俺のアヤカ~』で初の週間連載をされておりますが、その点で、ネタ出しの速度だったり、最初に言っておられた作画だったりで、色々あると思います。
週間連載ってどうですか?
今はだいたい8p描くことが多いんですが、ネームはネタ出しから簡単な絵を入れ終わるまで、短くて半日~長くて2日、という所ですかね。結構ムラがあって…。作画が遅いのであとは、こう、頑張ってます。それで一週間が過ぎて、次行くぞって感じで。
とにかく作画がネックなので、色々と時間短縮できるように準備してましたね。
かみん先生、八鷺先生、お世話になっております。
地由です。
八鷺先生の創作論、学べることがたくさんあってメモを取る手が追いつきません・・・!
ネタ出しにそんなに時間がかかっていないというのも驚きでした!
八鷺先生の一週間のスケジュールが気になります。
もしよろしければ、連載デビュー前に「これをやっておいて良かった!」ということがあれば伺ってもいいでしょうか?
既出のこと(ネタ出し方法を確立すること等)以外になければ、逆にこれをやっておけば良かったということでも結構です。
ちょうど話の流れとご質問の内容が近いので、まとめて書かせていただきますね。
一週間のスケジュールは、ネタ出しと作画でいっぱいいっぱいな感じですね。一人で描いているのもありますが。(あまり具体的でなくてすみません…)
デビュー前にやっておいて良かったことはですね… デビュー前に想像できる限り色々な準備をしていたつもりだったんですが、それ全部やったとしてもいざ連載始まったら全然追いつかないですね。怖い!
クリスタの本とかを買ってツールの勉強とカスタマイズをゴリゴリにやったり、あとは背景が不安だったので、3Dを一ヶ月くらいで覚えたりしてました。あとはネームストックを作ったりですね。
やはり、週間連載は魔物ですね!?(怯え)
あ、でも、お忙しい中でネームストックって考えられるお時間ってとれるんですか?
次にやるべきネタがあるのに、別の選択肢からネタを選んでしまうことがあったり。ライブ感が失われていく可能性があったみたいで。あとは作品を進めていくうちにキャラクターのイメージも変わっていくので、デッドストックになったりしますね。
八鷺先生、ご返信ありがとうございます〜!
>デビュー前にやっておいて良かったことはですね… デビュー前に想像できる限り色々な準備をしていたつもりだったんですが、それ全部やったとしてもいざ連載始まったら全然追いつかないですね。怖い!
ひええ…!怖い…!!
そしてその中で週刊連載をこなしてらっしゃる八鷺先生すばらしいです…!
背景作画に3Dを活用して、時短にしてらっしゃるんですね。
噂には3Dモデリングもご自身でされたと聞きましたが…!
私も作っておいたストックを変更せざるをえなかった場合とか、連載時にありましたよ。
ヒーーッ! お疲れ様です! ストーリー漫画だとなおさらデッドストックの影響大きそうですね…怖い…
ですがこう、ネームを描き直したりするたびに、キャラクターはちゃんと生きているんだなぁって実感します。どんどん輪郭が見えてくるといいますか。もっとお前のことを教えてくれ~~って感じになっていくといいますか。
自分で1からモデリング…というよりは、クリスタの3D素材をお借りして、使いやすいようにカスタマイズしてる感じですね。(本当に助かっています…!)
背景も手描きの方が速いところは手描きだったりしますが、3Dグリッドとかを使って雰囲気を掴むようにはしています。
いわゆる、キャラクターが自分で動き出す状態ですね!
これまでいろいろと、ネタ出しやらキャラクターやらを構造的に考えようとしてきたんですが、いざ連載が始まっていくともうそういう所が吹っ飛んでいったり、意識しないようになっていったりして…、もう完全に生きていますね。キャラ。
キャラクターが動いてくれるからこそ、漫画も描きやすくなってます。描いてくれって言ってるような感じで。
そうした、ギャグからショートコメディを書いていらっしゃる八鷺先生ですけれども、先生にとって、そのジャンルを選んだ理由って何かあるんでしょうか?
ギャグ好きなんですよね。あと、ふざけるのが好きで。
いや、まあ、ギャグがお好きなのはいいんですけども。
あとふざけるのがお好きなのはこの座談会でわかってきましたw
ストーリー漫画も好きなんですけど…、もっと手軽に面白く笑えるものが好きなのかも。そこで一歩踏み込んで、自分が何か描くなら手軽に面白がって笑ってもらいたいなっていう気持ちがあるのかもしれません。
人を面白がらせるのがお好きなんですかね?
今は漫画を掲載していただけるようになり、読んでいただけることも増えたので、それに報いられるように。楽しんでもらえるようにしたいです。
車で轢くみたいな笑いもありますが、今はバカップル見てニヤニヤしてほしいですね!
ニヤニヤはいいぞ~~
ニヤニヤできる漫画が作れるように頑張ります!
では、そろそろお時間ですが、最後にこの座談会の感想と宣伝などありましたら、お願いいたします。
皆さま、ご質問いただきありがとうございました! ちゃんと返信できずに失礼しました!
今後ともお身体に気をつけて、頑張ってくださいね。
アプリも『最高は俺のアヤカ 俺のアヤカは最高』も毎週楽しみにしております。
今回はありがとうございました。
第五回「かみんの部屋 漫画家座談会」は3月中旬ごろ開催予定です。
気になる次回のゲストは
BookLive!オリジナルマンガレーベル「NINO」にて
「その薬は私の血肉で出来ている」を連載中の
「有一九(ありいちきゅう)」先生
そして
おなじくNINOにて3月9日から
「ただし俺はヒロインとして」を連載開始される
「森下真央(もりしたまお)」先生
です。
本座談会初のダブルゲストでお送りする予定です。いつもとは違ったお話が聞けそうな気がいたします。皆様、よろしくお願いいたします。
それでは、今回はこの辺で。
ご覧になっていただいた皆様、質問を下さった皆様、長丁場にお付き合いいただき、ほんとうにありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。
森脇かみんでした。