エンドレス

文字数 663文字

 
 俺の目にシルキーな布が強めに巻かれた。アカネさん、恥ずかしいのは分かるんだが… 

 「でも、これでどうやってするのさ、アカネさん?」
 
 「あの、もうちょっとだけそのままでいてください」
 

 
 カシャッ!

 冷たい金属の感触が手首にしたかと思うと俺は後ろ手に手錠をかけられた。
 
 「カイ、長いこと待たせたな」

 さっきまでとは目つきが全然違う、レザーを着たアカネさんが俺の目隠しを取ってから腕を大きく上下させた。痛すぎず緩すぎず、絶妙にコントロールされた力のバラ鞭で俺は打たれた。

 「!!」 

 「カイ、イケるだろ? お前はコッチは初めてのようだから初心者モードにしといてやる」

 思うがままにテクニックを駆使し俺を弄ぶアカネさんの目は輝いていた。



 コンコン♪

 時を忘れこの状況を受け入れつつあった俺の耳に扉のノック音が聞こえた。半分痺れた頭は一瞬にして冷水がかけられたように。

 “美人局か!? どう見ても今は俺の方が被害者だろ~!”

 アカネさんが扉を開けると手にロウソクを持った鼻ピアスの女があらわれた。

 「チワーッス! 何でもっと早く教えてくんないの! 怒だからね」

 話す女はジッポーをカチャカチャいわせて火をつけたり消したりしていた。

 「コイツがメシを食うなんて言ったから時間がかかってね。でもねレイラ、今日のはビギナーだけどイキとノリがいいわよ」

 「そりゃ楽しみね! すぐ正装に着替えなきゃ!」

 レイラさんはその場で服を脱ぐとその下にはすでにレザーを身に着けていた。そのとき俺は自分がクモの巣にからまった胡蝶のような気がした…


 
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