第2話 俺には彼女がいます

文字数 435文字

俺の彼女の名前はアヤメ
大学生の時からの付き合いだ
結婚を考えた俺らはお互いの両親に挨拶しに行った

俺には兄弟がいないから弟のいる彼女が羨ましかった
彼女の弟の名前はユウ
大学生にしては幼さがまだ残る優しい子だ

兄弟が欲しかった俺と男兄弟が欲しかったユウ
よく彼女抜きで男だけで遊びに行ったりして
そのたびに
「二人だけで遊ぶなんてズルい」と弟が好きな彼女にへそを曲げられたりした
それくらい俺とユウは本当の兄弟のように仲良くなった

ユウと一緒にいる彼女の影が見える
強気で、でも泣き虫で、優しくて、お茶目なところがそっくり
表情や仕草でさえ、姉弟でこんなに似るものか、と少しおかしかった
家族ぐるみで仲がよく、幸せを感じる毎日を過ごした

そんな俺と彼女との幸せな日々・・・
変わることなどないと、永遠だと信じてた

のに、目の前のこれは現実なのか?
彼女の遺体らしきものが見える
俺の目に見える終わりゆく風景
そして閉ざされていく俺の心
彼女は俺をおいていった
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