第2話(9)

エピソード文字数 1,222文字

 ????? どうしたんだにゅむ?

「今ね、伏線が張られたよーな気がしたのー。自分でも何を言ってるのかわかんないけど、伏線が張られた気がしたのっ」
「そか。そりゃ気のせいだ」

 それを聞いて、安心した。以前『究極奥義無効化の敵が闖入するのでは?』の際もこう言って闖入しなかったから、この不安は杞憂に終わるな。

「にゅむ? にゅむむー?」
「とにかく、英雄様を頼ればハッピーエンドになる。今日は解散して、明日に学校で落ち合い双剣を回収するとしましょう」

 その御方が登場するまでは、なんにもできないもんね。選択肢はこれしかないでしょう。

「ん、そうですわね。じゃあ何時に、どこで待ち合わせしますか?」
「ぅーむ、そうだねぇ。シズナ、その人はいつ頃到着するの?」

 大よそでも、時刻がわかるかな?

「来ようと思えば、午前六時には来れるそうよ。従兄くんの学校は朝練というのがあるから、到着後すぐ家を出るのはどうかしら?」
「うん、それがベストだね。そしたら6時15分に、校門に集合しよう」

 この時間帯なら朝練はないから、生徒や教師に目撃される心配はない。これでいきましょう。

「明日の六時十五分に、校門ですわね。ウチ――ミラルの尻拭い、よろしくお願いしますわ」
「麗平さん、アナタが下手(したて)に出るこたぁないよ。充分、他の人のために頑張ったんだもん」

 この事件は、平和を守ろうとした結果起きたんだ。この人が謝る、そして責任を感じる必要はない。

「……色紙クン……っ。優しい、ですわね」
「にゅむむーんっ。ゆーせー君は、すっごーっく優しー人なんだよーっ」
「ふふふ。私の、自慢の従兄です」
「違うからね? 俺の従妹は、育月だけだからね?」

 俺は呆れてツッコミを入れ、よっこらせ。やおら立ち上がる。

「本日は、スーパーで買い物をしたい。レミア、シズナ、そろそろ帰りましょうか」
「にゅむっ、そだねー。活美ちゃんバイバーイっ」
「失礼します。ではまた」

 俺達は一昔前のロープレのように縦一列になり、和英折衷の部屋から出――

「あそうだ。ボディーガードがいなくて平気?」

 麗平さんが『戦場空間』で呟いていたけど、ガレを利用しようとする輩の襲撃があるかもしれない。保険をかけとくべきかな?

「あれは可能性を口にしただけだから、ノープロブレムですわよ。信奉者などの奇襲は、過去一度もないんですわ」
「そっか、そりゃ良かった。ならまた明日です」
「うんっ。また明日、ですわ」

 俺と麗平さんは笑い合い、俺達が笑い合うのを嫌ったシズナも加わって笑い、なんか変な空気になったあと暫しさようならとなった。


 ところで、どうでもいい情報なのですが――。スーパーに行くとまた高知県フェアがやっており、中にゆで卵が入った丸いカマボコ(高知名物の皿鉢料理など、目出度い席でよく登場する食べ物)が売られていて嬉しくなりました♪
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登場人物紹介

色紙優星 16歳の少年


高知県生まれの主人公。

リリウという神様の聞き間違えで魔王使いになってしまい、おまけに『究極奥義』と呼ばれる力を何個も持ってしまった高校生。優しく他人想いなのだが、彼はとあるセンスが全くないのであった……。

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの能力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

プリースト神 年齢不明


茶操ユニが持つプリーストの杖に宿る、プリーストの神様。

実は……。

橙式エイリ 14歳の少女


伝説のモンスターテイマー、でありながら伝説の召喚士の能力を持つ。所謂スケバン然とした容姿と声を持つが、グループ最年少の中学生でみんなの妹的存在。でもレミアやフュルよりずっとまともで、ヤツらの方が妹的存在な気がする。

野菜が大好きで、とても詳しい。

タンザ・クー 年齢不明


橙式エイリの召喚獣で、俳句世界(はいくわーるど)の王女。

タンザが姓で、クーが名。

二万年後に、地球の傍に誕生する世界からやって来た。


色紙育月 16歳の少女


高知県大豊町在住の、優星の従妹。中学卒業と同時に本格的にピーマンの生産を始め、今ではテレビの取材を受けるほどになっている。


薄幸の美少女然とした容姿と、従兄想いの優しい性格が自慢の従妹です! by色紙優星

謎の声 年齢不明


優星にだけ聞こえる、不思議な声。

なぜか正体を明かそうとしない。

リリウ 神様


願いを聞き間違えて、優星を魔王使いにしてしまった神様。

神様の世界で流行しているゲームに夢中で、神様のお仕事はほとんどしない。

とってもダメな、神様(?)な神様。

麗平活美 16歳の少女


ストロベリーブロンドのドリルヘアーが特徴の、優星のクラスメイト。

お嬢様然とした容姿で気品があるように見えるが、非常に活発。実は……。

空霧雲海 16歳の少年


頼れる兄貴系の容姿と性格を持つ優星の同級生であり、悪友であり、重度のオタク。

作中に登場する名曲(迷曲)を作った人。

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