パンダさんの美味しんぼ!

文字数 1,238文字

天高く馬肥ゆる秋!そう、食欲の秋です。
パンダさん、ここぞとばかりに食べる!食べる!食べる!
連日連夜、胃袋とサイフの限界に挑戦し続けたのです。
ある朝、パンダさんはリンゴをひとくちカジりました。
そのトタン、ぎええええええーっ!
下アゴんとこに小型爆弾でも炸裂したかのような激痛!
苦悶のパンダさん、ひっくり返ってノタウチ回る!
痛ってぇえええーっ!痛てぇよぉおおおーっ!
あれっ?これって・・・デジャヴ・・・
そうです!以前にもマッタク同じシチュエーションがっ!
忘れようにも、スッカリ忘れてしまった、あの惨劇!虫歯!
あの恐怖体験はPTSDだったハズです。
ああ、だがしかし、これだからパンダさん!
喉元過ぎれば熱さを忘れる、大熊猫ってヤツは・・・
あれほど熱心だったハミガキも忘却の彼方。
その結果がこのザマだよっ!
だが、コーカイしてる場合じゃないっ。痛ててててーっ!
どのツラ下げて歯医者さんに行けましょうや。
ボクが痛いのにボクが怒られる!なんてリフジン!
パンダさん、たったひとりで虫歯と闘う決心をした。
喫緊の課題は、この激痛を何とかせねばなりません。
魔女のところに相談に行きました。
魔女は塗りクスリをくれました。
痛いところに直接アタックするのです。
ところが、これがマズイ!
「クスリなんだから、ガマンしなさい」

それからというもの、何を食べてもマズイ!
虫歯のほうはどうやら退治できたようですが、何もかもマズイ!
奥さんがゴハン作ってくれるんですが、マズイ!
「何だとっ?」パンダさん、ボコられます。
元々そんなに美味しくなかったんだけど、一際マズイ!
お茶なんかは普通に飲めるんだけどなあ。
パンダさん、キャラメルを口に放り込んだ。マズイ?!
えっ、どうして?奥さんの手料理がマズイのは分かる。
だけど市販のお菓子がマズイなんて・・・
ピコーン!パンダさん、ヒラメイた!
マズイの正体が判明したのです。
それは”甘み”!クスリのせいで甘みだけ感じなくなっていた!
辛いとか酸っぱいなんかは感じるんで気がつかなんだ。
そうか、コーヒーはブラック派だからイケたんだ。
それにして甘みがないとこうもマズイとはっ!
カレーや麻婆豆腐もマズかった。こんなのにも甘み入ってたんだ。
新発見やあっ!論文書かなきゃ。ノーベル賞はイタダキだっ。

原因は分かりました。が、パンダさんの舌は甘みを認識できない。
目の前、マックラ!生涯、甘みのない食生活が続くのです。
OMG!無味乾燥、何の楽しみもないじゃありませんか。
パンダさんは絶望の底なし沼に沈んでいきました。
その時、奥さんが「ウガイしたら?」
ガラガラガラ、ペッ!
するとどうでしょう!
何と、味覚が戻っていたのです。
チョコレートもケーキもまんじゅうも全部美味しい!
奥さん手料理も普通のマズイクラスに復活しました。
ああ、甘みとは何とも偉大でありましょうや。
ハッピーシュガーライフよ、永遠に!


パンダさんの美味しんぼ!
美味しいものを食べてこその人生なのです。

・・・・・・・・・・To Be Continued
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登場人物紹介

パンダです。パン屋です。

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