SF

エピソード文字数 655文字

お上は大学時代、SF研究会に所属していた。だから当然、「SFの最高傑作は?」と聞かれることがあった。

そのときにはやはりジョージ・オーウェル『1984』を挙げたな。

これは半ば慣習にもなっているが、実際、この分野でオーウェルの超える作家はいないと思う。

ただ、評論の方にその傾向が顕著に表れているが、オーウェルは「社会の矛盾を指摘することに対しては天才だが、その解決策を提示することはない」。

この性質のためにオーウェルは「文句屋」と評されることもある。

俺には評論家の仕事は解決策を提示することまでに伸びるか、ただ単に問題点を指摘するに留まるかはわからないがな。

お上はSF界隈にも伝手があるのだが、確かに元気がない

日本SFだけでなく、世界的にSFに元気がない

あまり詳しくは言えないが、日本SF作家クラブも多少ごたついている

世界的には「福島第一原発事故」に匹敵する大惨事があった。

アウシュビッツ強制収容所だ。

テオドール・W・アドルノはこの場所での大量虐殺を受け、「アウシュビッツ以後に詩を書けるか?」と言った。

もちろん、ここにはこの未曾有の狂気を乗り越える想像力が求められている、という挑発も込められているが。

お上個人としては、この言葉に反逆できた詩人はパウル・ツェランしかいなかったと考えている。

もちろん、個人の意見だから、「いや、この詩人もその偉業を達成できた!」と言われれば、反駁するつもりはないが……

SFと詩でジャンルは違うものの、現在の日本に本当にSF足りえるものが書ける作家がいないことは自分も痛感している。

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登場人物紹介

瀧川紅月(たきがわべにづき)


ここの管理者代理。

拙作『頭狂ファナティックス』第一部のメインヒロイン。

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