前談

文字数 429文字

10/2(月) 今日から新しい月の始まりだ。朝、家を出ると先週までの残暑が嘘のように涼しかった。
涼しさで少し爽やかになった私の気持ちはすぐにまた沈んだ。見慣れた駅、決まった時刻、決まったルートで私はこれから半日以上自分の時間を対価に捧げる会社へ約1時間かけて「出勤」する。

朝の電車では人のテンションが面白いようにわかる。

スーツを着ている人間は私と同様これから始まる「軟禁生活」に絶望しているのか言葉を発する者はまずおらず、目を瞑って電車が動かないよう祈っている者が多い。

一方、制服を着ている人間はその若さなのか友人らと朝から楽しそうにお喋りを楽しんでいる。まるでこれからの学校でも楽しいことが待ち受けているかのように。

同じ時刻の同じ電車でもこれから始まる気分が正反対の人混みの中に私はいる。私もこれから半日を会社に捧げる。一体どんな1日になるかことか、期待と不安が入り混じり「軟禁生活」へと向かことにし、重たい足な膝を叩き、電車のシートから立ち上がった。。。

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