第2話

文字数 1,085文字

少女が天使について行くと少しずつ活気の溢れる場所に出てきてちらほらと他の天使を見かけるようになりましたが、あまり個性はなく同じ顔で身長もそこまで大差がなく声だってハキハキ話しているか前を歩いてる天使さんみたいにふわふわして幼げな話し方くらいしか区別がなく少女はほんの少しの疎外感に苛まれました。
本来なら恐怖や不安に押し潰されても仕方がない様な場面でここまで平然としているのはおかしな話なのですが少女は夢だろうと天使に会えたことにより一瞬の興奮状態にありました。なのでちょっとした疎外感なんて気にする程でも無いそれにきっと夢、心のどこかでは夢だと信じきっていたのでしょうまた朝がきて目が覚めればいくらでも変えが効くような人生を歩むことになるとそれは幸せでもあり不幸でもあります。
毎日程よい幸せを同じだけ得られて同時に不幸も降り掛かってくるけれど心労は少ない、少女のような人間にはある意味で最高に心地の良い状態だったのです。


「ねーねぇ!大天使様と会えるところ着いたよ?どうしたの、疲れちゃった?」
思案にふけっている間にかなりの距離を歩いたのか辺りに他の天使さんはおらず、目の前にあるのは門だけになってた。
門の向こうにあるお城のようなものは上を見上げると最上階が見えない程の高さを持っているのことに気付き唖然としていた。
「今から本当にここに入るの……?」
「?そうだよ〜大天使様は優しいから大丈夫、怖いことしてこないよ!ね、だから早く行こーよ」
少しだけ腕を引っ張られながら建物に入ると外から見るよりずっと大きな空間が広がっていた。

他の天使はほとんどおらず代わりに数えるのも億劫になるほどの扉があった、その無数にあると感じされられる程の扉の中でも一際目を引かれる扉があった。
特別装飾が豪華だとか違う形をしているとかそういうのではなく1度見たら目を離せないような雰囲気を放っていた
「やっぱり見ちゃうよね〜今見てる扉の中にいるのが大天使様だよ、行こいこ!」ガチャ
「少し騒がしいよライラ、そこの人間が困っているその明るさは長所だけどもっと周りを見た方がいいね」
少女の大天使に関する第一印象はもちろんさっきの天使さん達も綺麗だったが格が違う圧倒的。少し見ただけでも分かる他のものに対する慈悲を感じさせるような話し方と立ち方細部まで洗練された動きいくら人間の形をしているようと分かる違う生き物なのだと、少女の中で恐怖と同時にこの人達と同じになりたいと感じました。
絶対的な存在の足元くらいにはなりたいせめて同族でいたいという欲望が芽生えたのです。

「ねぇ人間さん貴女もう元の世界に戻れなわよ」
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